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新進気鋭の高性能電動二輪車ブランド「TASOW(探所電動)」がこのほど、 広東省深圳市内のショッピングモール「壹方城」に世界1号店をオープンした。主力の電動スクーター「TASOW 2049(探所2049)」は2タイプあり、中国での販売価格はそれぞれ1万1499元(約24万円)と1万2499元(約26万円)。
TASOWは北京市に本社を構え、電動二輪車業界の常識を塗り替えるテクノロジー企業として、電動スクーターのほか、電動自転車やeBikeなどを打ち出す。ターゲットは、一線都市や二線都市など大都市圏内の中高所得層。創業者の翟光竜氏は、フードデリバリー大手「美団(Meituan)」の創業メンバーの一員だった。
世界ではモビリティの電動化が進み、電動二輪車の浸透率も高まり続けている。調査会社カウンターポイントによると、2024年1〜6月の世界の二輪車販売台数は前年同期比で4%増加した。また、ボストン・コンサルティング・グループの調べでは、電動二輪車など世界のマイクロモビリティ市場は、22年5月時点で1000億ユーロ(約16兆円)規模に達しており、今後10年間は年平均成長率30%以上で拡大する見通しだという。
翟氏は「電動二輪車業界が成長する余地は大きい。現在のところ、世界の二輪車市場は十分に発展しているとは言えず、ユーザーが優れた製品を手に入れるのは難しい。二輪車産業にも目立った進歩はみられない」と指摘する。
同社初の電動スクーター「TASOW 2049」は、クルーズコントロールやパーキングアシストなどを含む先進運転支援システム(ADAS)を業界に先駆けて搭載。また、鍵のいらないスマートエントリーを採用し、アプリ、ブルートゥース、近距離無線通信(NFC)を用いてロックを解除できるようにした。さらに、アプリを通じて車両の遠隔制御やモニタリング、ナビゲーションなどの機能を利用することもできる。
電気モーターと高性能電池パックのおかげで安定した長距離走行が可能なため、通勤や小旅行などのシーンで電力不足に陥ることもない。電池パックは車体から取り外せない一体設計となっており、ユーザーが電池パックを家庭内に持ち込んで充電することなどによるリスクも防止した。
TASOWの販売モデルは、従来の電動二輪車販売店とは異なる。高級ショッピングモールにショールーム型店舗を開設し、専用の試乗エリアを用意するなど、電気自動車(EV)ブランドさながらの体験を提供する。購入した車両は、顧客サービスセンターが自宅まで届けてくれる。
電動二輪車には交通渋滞を低減する効果がある上、EVよりもさらにエネルギー消費量が低いという利点がある。創業者の翟氏は、モビリティ業界は将来的に電動化・二輪化・共有化が進み、交通システム全体のなかでも電動二輪車が重要な役割を果たすようになると分析、1〜2人が5キロメートル以内を移動する際は電動二輪車がメインになると予測する。
TASOWはまず一線都市の深圳、北京、上海および広州にショールーム型店舗を出店し、続いて新・一線都市の杭州や蘇州、武漢、南京、成都などに出店する計画。2025年中には最初の15都市にそれぞれ1号店を開設すると同時に、世界展開も進めていく方針だという。
*1元=約21円、1ユーロ=約163円で計算しています。
(翻訳・田村広子)
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