中国製スマホ、ハイエンド化加速 アップルは成長鈍化か

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

新華社EXCITEのRSSに登録注目記事

中国製スマホ、ハイエンド化加速 アップルは成長鈍化か

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

中国国産ブランドの携帯電話はここ数年、市場シェアが大幅に上昇し、ハイエンド化も加速している。業界関係者は、技術イノベーションや品質向上、高いコストパフォーマンス、アフターサービス体系の整備などを通じ、消費者の製品に対する満足度と忠誠度を高め続けていると分析する。

工業情報化部直属のシンクタンク、中国情報通信研究院のデータによると、2023年の携帯電話の国内出荷台数は前年比6.5%増の2億8900万台、うち国産ブランドは2億3100万台で全体の79.9%を占めた。

市場調査会社カウンターポイント・リサーチで中国市場を担当する斉英楠氏は、24年上半期(1~6月)の中国スマートフォン市場販売台数上位6ブランドはvivo(ビボ)、栄耀(HONOR)、米アップル、華為(ファーウェイ)、OPPO(オッポ)、小米(シャオミ)だったと明らかにした。

ファーウェイ、世界初の3つ折りスマホ「Mate XT」を発表 価格は約40万円〜も400万台の予約殺到

ハイエンド市場でも変化がじわりと起きている。シンガポールの調査会社カナリスによると、24年4~6月の世界ハイエンドスマホ市場(600ドル以上、1ドル=約155円)ではファーウェイ、シャオミ、vivoが急速な伸びを保ち、3~5位を占めた。中国ハイエンドスマホ市場ではファーウェイ、シャオミ、vivo、栄耀がアップルに続き、2~5位となった。長年ハイエンド市場で首位を維持しているアップルには成長率の鈍化が見られた。

アップルはなぜ中国で売れなくなったのか 2023年スマホ販売数世界トップとなるも苦戦続く

海外ブランドの同スペックのスマホと比べると、国産スマホは価格面で大きな優位性がある。中国通信工業協会の李楊秘書長によると、今でも価格は消費者が買い替える際に考慮する主な要素であるという。600ドル以上の旗艦モデルはブランド価値や革新的な技術など総合的な要素を競っているが、一部の消費者は余分な機能に共感を覚えず、高価格に対する納得感も得ていない。

李氏は、携帯ブランドのバックエンドサービスも消費者の関心の的になりつつあると指摘。ここ数年、国産の携帯電話が消費者に好まれているのは、メーカーが革新的な最先端技術を積極的に受け入れていることと密接に関わるとの見解を示した。

中国の携帯電話メーカーは相次ぎ大型人工知能(AI)モデルを開発し、携帯電話によりスマートで、カスタマイズ化された体験をもたらしている。10月中旬から各ブランドの旗艦モデルが次々に披露され、vivoやOPPOなどの新しいハイエンド機種はいずれもAI技術を採用した新機能を打ち出した。

形状が革新的な折り畳みスマホも市場に新たな活力をもたらしている。国産ブランドはここ数年、折り畳みモデルを次々に発表し、スマホの外観や高級感を高めるだけでなく、実用性の面でも大きな飛躍を実現している。カウンターポイント・リサーチが発表した「中国ハイエンドスマホ市場白書」によると、19~25年の折り畳みスマホの年平均成長率は114%に上り、25年は5500万台と22年の4倍になるとみられる。

国産ブランドは国内市場で良好な実績を収めているだけでなく、海外進出も積極的に進め、海外市場を開拓している。

米調査会社IDCとカナリスによると、シャオミやOPPO、vivoなどの国産ブランドは世界スマホ市場で出荷台数を伸ばし続けており、特にインドや東南アジア、アフリカ、中南米などの地域で台頭している。例えば24年7~9月の世界スマホ出荷台数ランキングではシャオミが3位に入ったほか、市場シェアランキングではOPPOが9.1%、vivoが8.5%でそれぞれ4位、5位を占めた。

国産ブランドが海外市場で人気が高い理由として、主にコストパフォーマンスの高さと柔軟的な市場戦略が挙げられる。スペックの高いスマホを低コストで提供することで、海外の消費者のコストパフォーマンスに対するニーズに応えている。(新華社北京)

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録