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中国浙江省桐郷市烏鎮で開かれた2024年世界インターネット大会(WIC)烏鎮サミットの重要イベント「インターネットの光」博覧会は、中国を含む53カ国・地域の665企業・機関が画期的で先進的なテクノロジーを展示し、訪れた人々が未来を体感する場となった。
今回の目玉の一つになったのが、生成人工知能(AI)によるコンテンツ。「このスカーフはAIがデザインしたものです」。シルク製品メーカーの万事利集団が設けた「AIGC(AI生成コンテンツ)ラボ」では、星空をダイナミックにデザインしたシルクスカーフを手にスタッフが説明していた。AIによるデザインを体験できるというタッチスクリーンが用意され、好きなテーマを選んで自分の要望をインプットすれば、オリジナルデザインが出来上がる。無水プリントのできる機械もあり、わずか2時間で自分だけのスカーフが完成する。
同社によると、スカーフのAIデザインの大規模モデルは、50万種を超えるパターンのデータベース、300種以上の画像処理アルゴリズムを搭載。世界の人口80億人全員にそれぞれ10万種の異なるデザインを提供できるほどの能力を持つ。誰もがスカーフのデザイナーになることができ、「究極のパーソナライズ」とも呼べるサービスになる。
このブースの向かいで来場者の足を止めていたのが、仮想空間(VR)ゴーグルを装着し、AIの生成した芸術的な仮想空間で身体機能の回復を図ることのできる2台のリハビリ機器。中国美術学院芸術メディア混合現実実験室の林荘祥(りん・そうしょう)研究員によると、2台はそれぞれ飛行体感AIアートセラピーシステム「翎境」と全方向体感アートセラピーシステム「璇璣」。リハビリとAIアートを融合し、リハビリ治療の効果を仮想空間で実現できるという。
「高精度モーションセンサーとプロフェッショナルなVR設備を通じ、システムがユーザーの動きをリアルタイムで捉え、それに応じたアートコンテンツを生成し、ユーザーに合わせてパーソナライズしたアートセラピー体験を提供する」。林研究員によると、AIは単に聴視覚コンテンツを生成するだけでなく、ユーザーの心に働きかけ感情をガイドする機能も備えている。
中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の展示ブースには「AI映画スタジオ」が登場。カメラ数台と映像合成用の背景となるグリーンバックが設置され、2次元バーコードをスキャンするだけで、高い技術の求められる背景透過や自動合成などを使った撮影をAIが実現してくれる。
「映画制作プロセスにAI、スマートデバイスを取り入れ、誰でも体験できるシステムを実現した」。スタジオの開発にかかわった北京光合声智能科技のエンジニア、張琰琰氏は語る。将来はより多くの変化に富むシーンを提供し、ユーザーのオリジナルのシーンも使えるようにし、個別の撮影ニーズへの対応を実現する考えだという。
(新華社杭州)
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