スキー場に新たなトレンド 押し寄せる「中国風」

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スキー場に新たなトレンド 押し寄せる「中国風」

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中国ではここ数年、氷雪スポーツが急速に普及し、冬になると多くの人が氷と雪の世界に思いをはせるようになった。中国的要素も多く取り入れられ、文化的要素が深まり、新たな活力がもたらされている。

「国風」文化と氷雪の融合が生み出す新たなスタイル

吉林省吉林市の万科松花湖リゾートでは、京劇や映画・ドラマ作品の衣装を着てゲレンデを滑走する氷雪ショーが連日繰り広げられ、人気を集めている。

イベントに参加したブロガーの張孟軒さんは、京劇の衣装を着てスキーをする動画をSNSに投稿し、420万回を超える「いいね」を得た。張さんは「京劇の衣装とスキーを組み合わせたのは、より多くの人にスキーを好きになってほしいから」と語った。

中国の伝統や風習を取り入れた「国風」文化と氷雪を融合させたショーは各地で行われており、きらびやかで美しい「化学反応」を生み出している。

長春市にある雪と氷のテーマパーク「長春氷雪新天地」の任鵬総経理は「雪と氷は観賞と娯楽のためだけでなく、文化を伝える媒体でもある」と指摘。訪れた人たちには雪と氷の楽しさだけでなく、文化的な背景や芸術性の美しさにも触れてほしいと語った。

氷雪と中医が新たな選択肢に

中医薬(中国伝統医薬)は2022年北京冬季五輪の開催中、展示や体験を通じて世界のスキー愛好家に独特の魅力を伝えた。北京市中医管理局も医師によるスキーバックアップチームを組織し、針灸や中薬湿布、カッピングなどで選手の疲労や怪我の回復を支援した。スキーヤーのケアに中医を取り入れる取り組みは一般の人々にも広がり、活気を見せている。

万科松花湖リゾートや北大湖スキーリゾート(吉林市)も今年、中医リハビリ館を開設。経験豊富な医療スタッフがサービスを提供している。同省通化市の万峰通化スキーリゾートでは、高麗人参の大型店舗が人気を集めている。

氷雪と中医の融合は氷雪文化観光の独特のシンボルとなりつつあり、中国の氷雪経済にさらなる想像力と可能性をもたらす。

国産製品がけん引する新たなトレンド

中国服の斜め襟をデザインに取り入れ、中国風の格子柄をあしらったスキーウェアを着た丁旭さん(27)は「国産ブランドのスキーウェアは防風、保温機能だけでなく、(映画やドラマの)侠客ヒーロー風のデザインも取り入れている」と紹介。今はカーボンファイバー製の国産スキー板の購入を考えているという。「スキーは5年やっていて、最近は国産ブランドを選ぶようになった」とし、デザインが独特なだけでなく、技術も遜色なく、コスパも高いと説明した。

氷雪スポーツがマイナー消費から大衆消費へ変わる中、国産製品の波が押し寄せている。服装、用具から人工造雪機や圧雪車などの機械設備まで、中国ブランドは技術革新と市場需要を受けて急速に発展している。

中国工業情報化部の統計によると、15年に約300社だった氷雪スポーツ製品関連企業は23年に約900社となり、売上高も50億元(1元=約21円)未満から約220億元へ拡大。吉林、黒竜江、河北各省などでは産業クラスターが形成されつつある。

スキーウェアの中国風デザインから、中医によるスキー後のケア、国産氷雪製品の躍進まで、より多くの中国要素が氷雪文化観光産業の力強い発展を支えている。
(新華社長春)

円安だけではない、何度も日本を旅行する香港人に魅力を聞いてみた

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