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家庭用エスプレッソマシンの新鋭ブランド「Meraki」を運営する深圳羽動創新科技がこのほど、エンジェルラウンドで数千万元(数億円超)を調達したと発表した。凱風創投(Cowin Venture)、海益投資(Haiyi Investment)およびコーヒー器具メーカーのTIMEMORE(タイムモア)が共同出資した。資金は製品開発や市場開拓などに充てられる。
Merakiは、初心者でも自宅で手軽にプロレベルのエスプレッソを楽しめるよう、製品開発に取り組んできた。現在は主に欧米市場向けに事業を展開しており、セミオートの家庭用エスプレッソマシンを1799ドル(約26万円)で販売している。
創業者の陳旭氏は海外生活が長く、英国発の家電大手ダイソンで製品開発に携わった経験がある。Merakiの家庭用エスプレッソマシンのセールスポイントは「業務用レベルの性能」「初心者に優しいユーザーインターフェース」「同等機種の中で最小サイズ」の3点だという。
タイムモアと共同開発したグラインダー(豆ひき)、独自開発の小型ロータリーポンプ、PID(比例・積分・微分)制御のデュアルボイラーシステムといった業務用レベルの高性能部品に加え、温度・重量センサーも内蔵されており、安定した味わいのコーヒーが抽出できる。
エスプレッソの味わいは、コーヒー豆のひき具合、豆(粉)の量、お湯の量や温度といった抽出パラメータで変化する。豆の産地や焙煎によって適切なパラメータも異なる。ユーザーの好みに合わせてパラメータを調整できるセミオートのエスプレッソマシンはあるが、初心者にはハードルが高い。
そこで、Merakiは画期的なインタラクションシステム「CoffeeSense」を開発した。焙煎所と提携し、プロのバリスタが各コーヒー豆専用のパラメータを調整、パラメータを書き込んだ近距離無線通信(NFC)チップをパッケージに貼って出荷する。ユーザーがNFCチップをMerakiのエスプレッソマシンにかざせば、自動で抽出条件が反映される。もちろん好みに応じて微調整し、プロのバリスタレベルの1杯を再現することもできる。
中国の調査会社QYResearchによると、世界のコーヒーマシンの市場規模は、2023年の132億9000万ドル(約1兆9000億円)から年平均成長率3.3%で拡大し、30年には167億2000万ドル(約2兆4000億円)に達する見通しだ。中でも、イタリアのデロンギやオーストラリアのブレビルに代表される家庭用エスプレッソマシン市場は年平均成長率15%前後を維持しており、まだまだ伸びしろは高い。
Merakiは、コーヒーマシンの需要が根強い欧米市場をターゲットに据えた。独調査会社Statistaによると、2022年のコーヒーマシンの市場規模は、米国が35億2000万ドル(約5000億円)、欧州が49億8000万ドル(7100億円)で、それぞれ世界の29.4%と41.6%を占めている。また、米国では約1億5000万人が日常的にコーヒーを楽しんでおり、うち約8割が自宅で毎日少なくとも1杯のコーヒーを飲むという。米国の家庭用コーヒーマシン市場の拡大余地は極めて大きいと考えられる。
*1ドル=約143円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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