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中国河南省鄭州市に拠点を置く鄭州日産汽車(1993年設立)は、日産自動車の中国初の完成車合弁会社で、小型商用車(LCV)生産拠点の重要な役割を担ってきた。この4月に副総経理に就任した園辺聖芳氏は新華社のインタビューで「鄭州日産の築いた研究開発基盤と100万人のユーザーネットワークを生かし、日産の電動化と知能化を推進する」と述べた。
同社は中国で最も早くピックアップトラック生産を始めた自動車メーカーの一つで、ダットサンピックアップ(D22型)、ナバラ、リッチ(鋭騏)シリーズなど累計150万台以上の生産実績を持つ。園辺氏は「従来の商用車中心の市場構造が変化し、乗用車やオフロード車としての需要が拡大している」と指摘。電動化と知能化の潮流が市場を一変させており、プラグインハイブリッド車(PHEV)や純電気自動車(BEV)への転換が加速していると説明した。
鄭州日産過去3年で「プラットフォーム化」「電動化」「知能化」の3分野で17のコア技術を確立。独自開発のグローバル多元オフロードプラットフォーム「星核」を今年発表し、これを基盤とした新型ピックアップトラック「Z9」シリーズやPHEV「P20」を投入した。来年には新エネルギーSUVやクリーンディーゼル車(CDV)の販売を計画する。園辺氏は「P20は中国本土初の日産グローバルピックアップモデルで、設計から研究開発、生産まで一貫して現地で行った」と強調した。
日産は「中国で、中国のために、そして世界へ」の戦略の下、鄭州日産の「オフロード化」を全面的にサポートしている。園辺氏は「P20とZ9は中南米への輸出を予定している」と明かし、東風汽車集団と日産自動車の巨大な販売網を生かし、ピックアップとオフロードの二つの市場を開拓し、国際展開を加速させると述べ、中国での生産の重要性を改めて強調した。
15年前に日産の調達担当として初めて中国に赴任した園辺氏は現在、中国語の習得にも取り組んでいる。「5年間の任期でできるだけ多くの人と交流し、地域に根差した経営を実現したい」と語り、中国市場で蓄積した技術とノウハウを「オフロード」「電動化」「国際化」の3本柱で展開していく方針を示した。【新華社鄭州】
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