中国初の「風力・太陽光・火力発電とエネ貯蔵一体化」プロジェクトが稼働

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中国送電大手の国家電網は8日、甘粛省東部の隴東地区と山東省を結ぶプラスマイナス800キロボルト超高圧直流送電線プロジェクトが稼働したと発表した。中国初となる「風力・太陽光・火力発電・エネルギー貯蔵が一体化した」大型総合エネルギー拠点の送電プロジェクトの始動を意味する。送電線を通じて届けられる電力のうち、半分以上は風力・太陽光発電とエネルギー貯蔵などのグリーン(環境配慮型)電力が占める。

送電線は西部の電力を東部へ送る「西電東送」戦略の新たな重要なルートとなった。甘粛省慶陽市の起点から山東省泰安市の終点を結ぶ。定格送電電圧はプラスマイナス800キロボルト、定格送電容量は800万キロワット、長さは915キロ、投資額は202億元(約4040億円)だった。送電線は毎年、山東省に360億キロワット時の電力を供給し、同省の電力需要に対応する。

国家電網の張智剛董事長によると、超高圧送電線は電力を運ぶ「スーパー動脈」として、電力エネルギーの効率的な長距離かつ大容量の送電を可能にした。これは、エネルギー資源配置の改善、東部のエネルギー不足と西部の豊かな資源の間に存在する矛盾の緩和に重要な意義を持つ。プロジェクトの稼働は、砂漠・ゴビ・荒漠地域における大規模発電拠点の新設と、新エネルギーの大規模な開発と利用を効果的に支え、山東・甘粛の両省と黄河流域の質の高い発展に大きく貢献するという。

中国初となる「風力・太陽光・火力発電・エネルギー貯蔵が一体化した」大型総合エネルギー拠点の送電プロジェクトは、関連電源設備の総容量が1450万キロワットに上り、うち新エネは1050万キロワットだった。主な電源拠点である中国華能隴東エネルギー基地には、世界で最も規模が大きく、エネルギー消費量が最も低い石炭火力発電所の二酸化炭素(CO2)回収施設も建設された。施設では年間150万トンのCO2を回収でき、自動車60万台が年間に排出するCO2量に相当する。

国家電網はこれまでに、超高圧送電ルート39本(交流22本、直流17本)を稼働させ、送電距離は地球の赤道1周分以上に相当する。世界最大規模の超高圧送電網を構築し、電力の安全で確実な供給を保障し、グリーン・低炭素型発展の推進を力強く支えている。【新華社済南】

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