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3Dプリント技術を手がける中国スタートアップ「博理新材料(Polly Polymer)」がこのほど、シリーズBで2億元(約40億円)余りを調達した。濾州航空発展集団(Luzhou Aviation Development Investment Group)と北京知来投資(Beijing Zhilai Investment )が出資を主導し、既存株主の金沙江聯合資本(GSR United Capital)や緑洲資本(Vitalbridge)なども参加した。調達した資金で、量産技術の高度化、スマート工場の整備、人工知能(AI)技術の導入を加速する方針だという。
博理新材料は2017年に設立され、エラストマー(弾性のある合成ゴムの一種)など3Dプリント用材料の開発と製品の量産に注力している。独自の高速光造形技術「HALS(Hindered Asynchronous Light Synthesis)」により、従来技術の20〜100倍の速さで3Dプリントができる。HALS技術をベースに開発した超高速3Dプリンターは、医療や消費財、スポーツ用品、教育、アートグッズなどの分野で活用されている。
江蘇省の蘇州市と揚州市、安徽省蕪湖市などに構える工場では、試作から量産まで全工程を自動化し、AIを活用したシステムによる生産管理の簡素化・スマート化・即時化を実現している。
主力製品は3Dプリンター製の靴で、ここ4年連続で生産量が急増している。スニーカーやランニングシューズ、サンダル、革靴、安全靴などのパーツやミッドソール、本体の一体成型、サイズ確認用の仮靴、一体成型用の金型などを幅広く手がける。スニーカーやランニングシューズでは、中国の李寧(LI-NING)や匹克(PEAK)、米スケッチャーズなど国内外のブランドと提携している。
同社が開発したエラストマー材料は、優れた衝撃吸収性で関節への負担を効果的に軽減できる上、通気性の高い設計で靴の中の湿気を排出し、スポーツシューズの機能性や快適性の向上に新たな可能性をもたらした。同材料は、靴類だけでなく自転車のサドルや耐衝撃ヘルメットなどにも応用されている。
また、同社の3Dプリンターで作成したハニカム構造の複合材料は、形状回復性に優れるだけでなく振動吸収や軽量化、放熱でも卓越した性能を発揮する。人型ロボットに利用すれば、その機動性を高められると同時に、エネルギー消費の低減や航続時間の延長が期待できるという。
王文斌CEOは、AIGT(AIによる最終製品生成)という概念を示した上で、「まず、IoTを通じて収集した製品の使用データでAIGC(AIによるコンテンツ生成)アルゴリズムをトレーニングし、『設計・製造・アップデート』の動的閉ループを構築する。次に、AIGCによって開発・設計効率が向上したところで、3Dプリンティング工場にAIGTシステムを導入する。これにより、遠隔地からでも生産能力の調整が可能になり、海外からの発注でも48時間以内に『設計・プリント・納品』を完了できるようになる」と将来の構想を語った。
*1元=約20円で計算しています。
(翻訳・田村広子)
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