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中国海南省の洋浦港でこのほど、都市ごみ由来の「グリーンメタノール」を使った中国初の船舶への供給が行われた。中国が開発した初のメタノール二元燃料コンテナ船「中遠海運洋浦」(積載量1万6000TEU)に200トンが供給された。
使用されたグリーンメタノールは、中国海洋石油集団(CNOOC)傘下の中海石油化学が製造。都市の生ごみや家畜のふん尿などを発酵させて得たメタンガスを原料とし、従来のメタノールと比べて製造時の温室効果ガス排出を大幅に削減できるとされる。
同社でグリーンメタノール事業の副責任者を務める馮華盛氏によると、今回供給したグリーンメタノールは、海南省西部の東方市で生産され、洋浦港に陸送された。二酸化炭素(CO2)の排出を約325トン削減できたとしており、約1万9000本の植樹による炭素吸収に相当するという。
海運業界ではグリーンメタノールが脱炭素化の手段として注目されている。国際業界団体メタノール・インスティテュート(MI)と国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、2050年までに世界のメタノール需要は5億トンに達し、うちグリーンメタノールは3億トンを超えると予測している。
世界のグリーンメタノール年産は現在50万トン前後とされるが、中国は1000万トン以上の生産を目指しており、産業発展が加速している。
業界関係者は、今回のような廃棄物を燃料に転換する取り組みがごみ処理の課題解決につながるとともに、資源の循環利用やエネルギー転換にも寄与するとみている。【新華社海口】
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