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光コンピューティング用チップを開発する中国スタートアップ「光本位科技(Lightstandard)」が6月、新たなラウンドで資金調達を実施した。出資は敦鴻資産(Dunhong Capital Management)が主導し、浦東科技天使母基金、蘇州未来天使産業基金、張江科投(ZJ Venture)など政府系ファンドも参加した。2024年12月に錦秋基金(Jinqiu Capital)主導のラウンドを実施してから、わずか半年での新たな資金調達となった。
光本位科技は2022年に設立され、シリコンフォトニクスとPCM(相変化材料)を組み合わせ、「光チップ」による記憶と演算の一体化技術を世界で初めて商用化したとされている。創業者の熊胤江氏を含む2名は、いずれも1995年以降生まれの若手で、それぞれ英オックスフォード大学と米シカゴ大学の出身者だ。
光チップは、従来の電気信号ではなく光信号で情報を処理するため、通信速度の大幅な向上や広帯域の実現、省電力化といった利点を持つ。光本位科技のチップは小型化と低消費電力に優位性があり、大規模な人工知能(AI)計算を実行するような場面に適している。現在、単一チップに128×128、256×256、あるいはそれ以上の大規模マトリクスを集積でき、従来技術に比べて集積度は10倍以上に達する。
2024年6月、演算密度と精度が商用レベルに達した業界初の光コンピューティング用チップを完成させた。マトリクスサイズは128×128で、3年にわたり業界の上限とされていた64×64の壁を打ち破った。目下、256×256チップのテープアウトと光電融合技術を採用した第1世代コンピューティングボードのパッケージテストが進行中で、512×512チップの設計も進められている。将来的には、このチップを基盤とした製品が、世界最先端の電気ベースのチップを上回る性能を発揮すると期待されている。
2025年は、光本位科技にとって本格的な製品商用化の節目の年となる。24年12月には、中国のIT大手と戦略提携を結び、AI計算用ハードウエアの分野で緊密に協力することで合意している。
創業者の熊氏によると、創業時からAIモデルやエンボディドAIなど高い演算能力を必要とする分野をターゲットに、次世代演算チップとシステムの提供に注力してきたという。今後は、メモリ内で演算処理が可能な自社開発の光チップを中心に、演算能力やエネルギー効率の高い製品をさまざまな形で展開していく方針だ。
(翻訳・畠中裕子)
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