ARグラス普及が追い風に。中国マイクロLED新星、プレシリーズAで20億円調達

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マイクロLEDの開発を手がける中国スタートアップ「煙山科技(Yanshan Technology)」がこのほど、プレシリーズAで約1億元(約20億円)を調達した。出資には、深創投集団(SCGC)、常春藤資本(Ivy Capital)、聯想創投(レノボ・キャピタル)などが参加。資金は、垂直積層型フルカラーマイクロLEDの開発や生産ラインの建設に活用される予定だ。

煙山科技は2022年5月に設立され、中国初の私立研究型大学「西湖大学」との産学官連携を軸に、次世代マイクロLED技術の研究開発に注力してきた。ウェハー級RGB薄膜合成やハイブリッドボンディング、高速エピタキシャル成長など複数のコア技術を独自に開発し、発光効率・消費電力・色域・寿命の面で優れたフルカラーマイクロLEDの量産化に取り組んでいる。

同社は、マイクロディスプレイとLEDディスプレイの両分野に対応できるプレイヤーとして、多様な顧客ニーズに応える。ARグラスやモバイルプロジェクター向けのマイクロディスプレイ製品に加え、業務用ディスプレイ、透明ディスプレイ、テレビ、スマートウォッチ向けのLEDディスプレイ製品も提供している。

煙山科技の生産施設(画像は企業提供)

今回の資金調達を受けて、同社は製品開発をさらに加速し、量産化に向けて生産ラインの建設に着手する。年内に大型ディスプレイ向け単色LEDの量産・出荷と、フルカラーLEDの品質検査を終え、コストパフォーマンスに優れた製品の市場投入を目指すという。

創業者兼CEOの孔瑋博士は「当社独自の垂直積層型技術を活かし、生産ラインの構築によって、フルカラーLEDおよびモジュール製品の量産・供給体制を確立できる」と語っている。

出資者からも高い評価を得ている。深創投集団の投資ディレクター・黄天祥氏は次のようにコメントした。

「マイクロLEDは『究極のディスプレイ技術』と位置づけられて久しい。業界では10年以上の技術検討を経て、現在は垂直積層型がシリコンベースマイクロLEDの性能を最大限に引き出す構造として注目されている。煙山科技は、III-V族化合物やエピタキシャル成長、ボンディングなど前工程において高い技術力を有し、かつマイクロディスプレイとLEDディスプレイの両分野に携わる中国唯一のスタートアップ企業だ。輝度・効率・色域・寿命の面でも非常に優れており、今後、技術改良と量産化によってコストをさらに下げることで、ARグラスが大きく普及するタイミングで、先駆的な存在になるだろう」。

*1元=約20円で計算しています。

(翻訳・大谷晶洋)

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