人工心臓「BrioVAD」の米国臨床を推進、中国・同心医療が20億円超を調達

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人工心臓の研究開発を手掛ける中国の医療機器メーカー「同心医療(BrioHealth Solutions)」がこのほど、1億元(約20億円)を超える資金調達を完了した。政府系ファンドの北京門頭溝鋳心基金、高榕創投(Gaorong Ventures)および高科新浚資本(Neovision Capital)が出資を主導し、華創資本(China Growth Capital)や北京市高精尖産業発展基金、既存株主の紅杉中国(Hongshan、旧セコイア・チャイナ)などが参加した。

今回調達した資金は、植込み型補助人工心臓(VAD)のグローバル展開加速、新製品やパイプライン開発、国内事業システムの整備に充てられる。

心臓移植は末期の心不全を治療する有効な手段だが、世界の移植例は年間8000人前後と深刻なドナー不足が課題となっている。同心医療は2008年に設立され、長年にわたってVADの開発に取り組み、磁気浮上式の植込み型左心室補助システム「CH-VAD」の開発に成功。同製品は21年11月、中国初となる独自の知的財産権(IP)を備える心室補助システムとして市場に投入された。

CH-VADをベースに開発した次世代製品「BrioVAD」は24年2月、中国製のアクティブ植込み型医療機器としては初めて、米食品医薬品局(FDA)から治験医療機器に対する適用免除(IDE)を受け、同年11月に米エモリー大学病院で初の植込み手術に成功している。

BrioVADは25年6月、安全性を評価する臨床試験の登録を完了し、すでに数千万ドル(数十億円)を売り上げている。今後は全米60カ所の先端医療機関で大規模な検証的研究を進め、国際基準に準拠した臨床エビデンスを構築していく。

この臨床研究プロジェクトは米国の高齢者向け公的医療保険「メディケア」の適用を受けており、関連する医療機器、検査および各種費用は医療保険でカバーされる。試験期間中、BrioVADの売上高は数億ドル(数百億円)規模に上る見込みで、世界的な商業化に向けて確固たる基盤を築く見通しだ。

同心医療は米国での臨床研究を着実に進めると同時に、その他の主要海外市場への参入準備も加速しているという。

中国磁気浮上式人工心臓の雄・核心医療、約140億円調達 欧州での臨床展開も加速

*1元=約21円、1ドル=約149円で計算しています。

(翻訳・田村広子)

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