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中国の電気自動車(EV)メーカー「零跑汽車(Leap Motor)」が、自社開発のバッテリーパックの外販を開始した。電池セルには寧徳時代(CATL)をはじめとする外部メーカー製を使用し、自社でパック化した上で販売する。
零跑汽車の子会社でバッテリー技術開発を専門とする「凌驍能源科技(Lingxiao Energy Technology)」がこの事業を担当している。すでに5社以上の新エネルギー商用車メーカーから受注を獲得し、今後も顧客基盤の拡大を図る。
零跑汽車はコストパフォーマンスの高さを武器に急成長してきた。2025年1-6月の新車販売台数は前年同期比155.7%増の22万2000台となり、販売台数ランキングで新興EVメーカーのトップに立った。この成長を支えた要因として、自社開発による「三電システム(バッテリー・モーター・電気制御装置)」の存在が大きい。
同社の朱江明CEOは7月、自社開発の範囲をこれまでの三電システム、スマートコックピット、自動運転から、あらゆる高付加価値の部品にまで広げることを明らかにした。
業界では、零跑汽車が目指すのは単なるコスト削減ではなく、完成車と部品販売を並行して展開するという、BYD(比亜迪)が築いた成功モデルの追随にあるとの見方もある。
例えば零跑汽車は2024年5月に、大株主である欧州自動車大手のステランティス(Stellantis)グループが主導する合弁会社「零跑国際(リープモーター・インターナショナル)」の設立を発表した。零跑汽車は重要顧客でもあるステランティスに対し、E/E(電気・電子)アーキテクチャの技術を供与、さらにライトや電気駆動システムなどの部品を供給することで研究開発費用を分担した。
とはいえ、同じ乗用車メーカーへの大規模な供給には限界がある。商用車市場はそれに比べると参入しやすく、拡大が期待できる市場だ。全国乗用車市場情報連合会(CPCA)によると、中国の2025年上半期の商用車販売台数は212万2000台で、そのうち新エネ車は前年同期比66.5%増の40万2000台だった。
現在、中国の商用車市場におけるNEVの普及率は20%未満とされており、今後さらなる成長が見込まれる。販売台数が増えれば、搭載されるバッテリー容量も比例して増えるため、零跑汽車にとっては魅力的なターゲット市場だ。
零跑汽車に対してこれまで長くバッテリーを供給してきたのは、中創新航(CALB)や正力新能(ZENERGY)、国軒高科(Gotion High-Tech)といった二番手グループのメーカーが中心だった。しかし、今年発表された同社の純電動セダン「B01」のうち、航続距離650キロメートルの2モデルがCATLのバッテリーを採用したのは注目すべき点だ。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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