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中国広東省広州市でこのほど、自動車大手の広州汽車集団と送電大手の南方電網傘下の広東電網広州供電局が共同で立ち上げた新エネルギー車(NEV)を送電網に接続する「V2G」(ビークル・ツー・グリッド)試行事業が始まった。広州在住の陳さんは電力需要のピーク時に新エネ車から送電網に電気を送り、200元(約4200円)近い売電収入を得た。陳さんのような新エネ車所有者は専用の充放電設備を通じ、送電網の負荷が低い時に車に充電し、高い時に車の電気を送電網に供給することで、送電網にかかる供給面の圧力を軽減するとともに、経済的利益も得ることができる。
関係部門の統計によると、広東の新エネ車保有台数は約300万台に上る。広東電網傘下でエネルギー貯蔵事業投資や電気自動車(EV)充電施設整備などを手がける広東電網能源投資の劉羿経営部高級経理は「1台当たりのバッテリー容量を65キロワット時として試算すると、省全体の車載バッテリーに蓄えられた電力量は2億キロワット時に上る」と語った。
省発展改革委員会は今年5月、V2Gの導入を加速するため、車から送電網へ電力を供給する際の売電価格を明確にした。午前10~12時、午後2~7時のピーク時は1キロワット時当たり約0.77元(約16.17円)。7~9月のピーク時は1キロワット時当たり約0.96元(約20.16円)となっている。
車に蓄えられた電力は、ピークカットと送電網の安定供給を確保する上で大きな可能性を秘める。広東は製造業が盛んな省であり、1~6月の電力消費量は4333億キロワット時に上った。また、高温や異常気象も電力の安全かつ安定した供給に課題をもたらしている。
広東電網はV2G連盟を創設し、広州汽車集団や比亜迪(BYD)などの自動車メーカーと運営事業者、統合事業者に参加を呼びかけることも計画している。2028年までに、珠江デルタ地域(広州・深圳・東莞・珠海など9市)で60万台以上の新エネ車が恒常的に送電網の調節力に加わるようになるとみられる。【新華社広州】
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