上海のペット消費市場、規模は最大5300億円 90・00後が主力

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

新華社EXCITEのRSSに登録特集注目記事

上海のペット消費市場、規模は最大5300億円 90・00後が主力

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

中国上海市ではここ数年、ペット関連の経済活動が急速に発展している。恋愛・結婚観の変化や職場のストレス増加などが要因となり、大きな潜在力を潜める新興産業の一つになっている。上海市商業連合会と上海産業モデル転換発展研究院はこのほど、「上海ペット消費分布指数」を共同で発表した。上海のペット消費は業態分布が比較的均衡し、消費項目は多様化が進み、ペットショップの実店舗が提供する商品とサービスの質に対する消費者の関心度が高く、これらが消費者の選択行動の重要な要因となった。

「中国ペット業界青書」や「2025中国ペット業界白書」など業界リポートの内容も総合すると、上海のペット(犬・猫)消費市場規模は230億~250億元(約4800億~5300億円)、伸び率は10.0%~15.0%、全国に占める割合は7.8%~8.3%になる。年齢層別では「90後」(90年代生まれ)と「00後」(2000年代生まれ)が中心を占め、所得層別では月収4000元~1万5000元(約8万4000円~31万5000円)の中間層が60.0%以上の消費を担っている。

中国の航空会社、ペット同伴サービスを拡充 専用ラウンジも登場

上海産業モデル転換発展研究院の夏雨首席研究員は今回発表した指数について、上海16区、106鎮、108街道の全てを対象に、ペット関連サービスを実店舗で行う業態の分布・店舗数、消費レベル、サービスの質、業態構造、レビューなどを系統的に整理したと説明した。同指数は日常的に営業するペットショップやペット病院、ペット葬式、ペットグッズ専門店、ペットテーマパーク(公園)、ペット用ドラッグストア、ペット輸送、ペット用ウエア、ペット撮影など比較的成熟した16業態、実店舗4153店をカバーしている。

中国ゲノム解析大手の傘下企業、ペット遺伝子検査サービスを開始

実店舗の分布からみると、ペット消費業態の数と地理的位置は人口規模と正の相関関係を示した。常住人口上位3位の浦東新区、閔行区、宝山区は、ペット消費業態数でもトップ3になった。面積当たりの平均実店舗密度では、静安区が1平方キロ当たり7.02店で首位に立った。黄浦区は2位、普陀区は3位に名を連ねた。1人当たり店舗数は長寧区、静安区、黄浦区がトップ3に入った。

迷子のペットを“6重測位”で追跡、意思疎通もできる世界初の「ペットフォン」が日本上陸へ

近年はペットショップのサービスの質が飼い主の選択を左右する重要な要因となっている。ペットショップのサービスに対する評価では、楊浦区、黄浦区、静安区が上位3位となった。ペット医療のスコアが最も高かったのは静安区、嘉定区、普陀区だった。

ペット消費の多様化がさらに進んでいる。平均消費額が最も高いのはペット葬式で、816.24元(約1万7000円)だった。ペット撮影は2位、ペット病院は3位となった。ペットショップの客単価は最大2万3000元(約48万3000円)に達したものの、中央値は136元(約2900円)にとどまり、消費の大半が中低価格帯に集中していることがわかった。

急成長するペット経済に照準。中国配車大手・滴滴がペット送迎サービスを開始

夏氏によると、上海のペット関連消費には人口分布、地域の発展レベルと密接に関わるという特徴がみられた。静安区、黄浦区、長寧区、徐匯区など中心部にある7区は面積こそ市全体のわずか4.6%だが、ペット関連実店舗の32.4%が集まっており、集積効果が鮮明だった。郊外の大場鎮や南橋鎮などは人口流入と社区(コミュニティー)の成熟化を受けて、ペット消費の新たな拠点になりつつある。【新華社上海】

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録