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11月23日、市場調査会社Canalysが、2019年第3四半期欧州市場のスマートフォン出荷台数データを公表した。中でもシャオミ(小米科技)が好調で、前年同期比73%増の550万台を出荷した。
サムスンの首位は変わらず、出荷量1870万台、成長率26%と勢いがある。前四半期に減少を経験したファーウェイの成長率は現在0%、欧州での出荷量は1160万台にとどまり、首位サムスンとの距離はますます広がった。アップルは出荷量が4%減少、新しいiPhone11もアップルの劣勢を挽回するに至らなかったのは明白だ。 iPhone iPad対応バーチャルビデオグラス「ヘッドマウントディスプレイ(HMD)」に至っては21%失速した。
高級品志向の欧州は、中国スマートフォンメーカーにとって魅力的なマーケットだ。現在、欧州のハイスペック機種で成果を出しているのは、中国メーカーではファーウェイだけだ。1000ユーロ(約12万円)を超える機種もあり、ミドルレンジのnovaシリーズは量で際立っている。中国とは異なり、欧州市場は主に通信事業者が市場を握っている。Amazonや実店舗のようなオープンチャネルは、主にローエンド~ミドルレンジモデルを販売する。シャオミの主戦場はここだ。ファーウェイが空けた市場シェアの主要部分は、事実上サムスンに持っていかれてしまった。
シャオミは中国市場で伸び悩み、インドのハイスペック市場もなかなか突破できない。単価が高くブランド力の強い欧州に目が向くのは、自然な流れだ。さらに欧州のスマートフォン市場は現在、成長率8%と好調で、アジアを上回っている。シャオミのエントリーモデル「Red Mi(紅米)」GMの盧偉氷氏は、シャオミの来年の目標は欧州市場でハイスペックモデルの突破口を作ることで、サムスンやアップルとも正面勝負できるようになりたい、と語る。
シャオミは10月、ドイツでNote8のプロフェッショナルバージョンをリリースした。このスマートフォンは価格の安いエントリーモデルで、市場ではそれほど注目されていないが、シャオミが欧州で名乗りを上げるとの意思表示だ。
スマートフォンに限らず、シャオミのスマート家電は欧州でも人気だ。2018年末時点で、シャオミは西欧州に旗艦店である「 小米之家(Mi Store)」を含め、50店舗出店している。
しかし、欧州のようなハイスペック機の成熟した市場で、エントリーモデルのRed Miだけに頼るのでは、たとえハードルが低くても、足場を固めるのは難しく、すぐにサムスンから強烈な反撃を食らうだろう。ハイスペック製品のけん引力不足は、シャオミが国内外の市場で抱える共通課題となっている。
(翻訳・永野倫子)
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