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中国自動車大手の浙江吉利控股集団(Geely Group Holdings)傘下の時空道宇科技(Geespace)は9月24日、低軌道衛星12基を打ち上げ、衛星コンステレーション「吉利未来出行星座(Geely Future Mobility Constellation)」(以下、吉利星座)の第6軌道に投入することに成功したと明らかにした。これで吉利星座の第1期ネットワークの構築が完了し、通信サービス開始の準備が整った。
吉利星座は時空道宇が完全に自社で開発・構築・運用しており、2022年からこれまでに6回連続で衛星の打ち上げに成功しており、軌道上の衛星は64基となった。今後は南極と北極を除く地球上のあらゆる場所で、文字・音声によるメッセージや画像など多様な形式のリアルタイム通信が可能となる。グローバル展開も進んでおり、中東やアフリカ、東南アジア、南米などの市場で事業を展開し、20カ国以上の通信事業者と提携している。

吉利星座の全ての衛星は、浙江省の台州湾新区にある工場「吉利衛星スーパーファクトリー」で生産されている。同工場は、世界で初めて航空宇宙分野と自動車分野の製造技術を高度に融合させた衛星量産拠点で、年間500基の生産能力を持つ。時空道宇の担当者は「衛星の大量生産によって1基あたりの製造コストは大幅に低下し、吉利星座の衛星IoT通信料金も従来型衛星通信のわずか1%にまで下がる」と述べた。
吉利星座の第1期ネットワークが完成したことで、今後は多様な場面での活用が進む見通しだ。全世界をカバーする衛星IoT通信能力を生かし、スマートコネクテッドカー、低空モビリティ、交通・物流、海洋・漁業などの分野でリアルタイムの衛星通信サービスを提供する計画だという。
吉利は9月19日、時空道宇が浙江金控投資、杭州市国有資本投資運営および杭州高新金投集団と戦略提携を結んだと発表した。同時に、浙江省新能源汽車産業基金から20億元(約420億円)を調達したことも明らかにした。資金はグローバル本社の建設および吉利星座のグローバル事業拡大に充てられる。
*1元=約21円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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