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超微細ナノシリコン粒子を手がける中国企業「星科源新材料科技(Xingkeyuan New Materials Technology)」(以下、星科源)がこのほど、追加のエンジェルラウンドで厦門高新投(Hi-tech VC)と天泓投資から数千万元(数億円)を調達した。資金は製品開発や生産能力の拡大に充てる。
超微細ナノシリコン粒子は「高容量」「高効率」「高機能」を求める次世代材料として、電池・半導体・光学・医療など幅広い分野で重要な役割を果たす。特に電気自動車(EV)向け高性能電池の鍵となる材料として注目されている。
星科源は、粒径10ナノメートル(nm)未満のナノシリコン粒子を主力製品としており、粒径を数nmから数十nmまで自在に調整できる独自技術を有する。創業者の李学耕氏によると、20nm未満のシリコン粒子は破壊靱性が飛躍的に向上し、ほとんど破損しない特性を持つという。この特性により、エネルギー密度の高い次世代電池、特に全固体電池の理想的な負極材として注目を集めている。
同社は独自開発の化学気相成長(CVD)装置を使い、超微細ナノシリコン粒子の連続生産を実現した。これを基盤として、さらに粒径40~80nmの製品に対応した生産設備を増設し、さまざまな顧客のニーズを満たせるよう製品ラインアップを拡充している。
ただ、ナノシリコンの活用はまだ始まったばかりで、導入時に顧客が直面する課題も多い。このため、星科源は単なる材料の供給にとどまらず、表面改質や全固体電池の開発支援を含む総合的なソリューションを提供している。独自の表面改質技術により、油性・水性いずれの環境でも分散性を大幅に高められるほか、カスタム装置で顧客それぞれの製造プロセスに適合させる細やかなサービスで、主要顧客からの高い評価を得ている。
李氏は「材料を購入しても顧客側が適切に活用できるとは限らない。当社は、実際に現場で使える一連の技術ソリューションを提供している」と語る。業界大手と緊密に連携することで、新技術の開発や検証をスピーディーに進められると同時に、製品の安定出荷も実現できる。こうした協業は、新材料メーカーが持続的な成長を実現するのに有効なアプローチと言える。
現時点で、すでに各分野の大手企業と協業に向けた合意に至っており、車載電池メーカーとの技術検証も積極的に進めている。
星科源はこれまでに数百キログラム規模を安定的に量産してきた。さらに生産能力を引き上げるため、浙江省杭州市銭塘区で100トン規模の生産拠点の建設を進めている。年内にも本格稼働し、既存の受注や研究開発に十分対応できるようになる見通し。また、1000トン規模の生産ラインの建設に向け、新たな資金調達にも着手している。
出資者の厦門高新投は、シリコンカーボン負極材料がリチウムイオン電池のエネルギー密度の限界を打ち破る突破口になるとした上で、星科源は10nm以下のシリコン粒子を量産できる国内でも数少ない企業であり、その高い技術力を生かしてシリコン材料の体積膨張といった業界の課題を解決する見込みがあると、期待を寄せる。今回の出資により、同社の産業化を加速させ、新エネルギー材料の分野における技術革新を後押ししていく方針だという。
*1元=約22円で計算しています。
(翻訳・畠中裕子)
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