中国・Moonshot AI、推論モデル『Kimi K2 Thinking』発表 GPT-5超えの性能、コストは1/4

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

スタートアップ注目記事

中国・Moonshot AI、推論モデル『Kimi K2 Thinking』発表 GPT-5超えの性能、コストは1/4

36Kr Japanで提供している記事以外に、スタートアップ企業や中国ビジネスのトレンドに関するニュース、レポート記事、企業データベースなど、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」を会員限定にお届けします。無料会員向けに公開している内容もあるので、ぜひご登録ください。

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

中国の人工知能(AI)スタートアップ「月之暗面(Moonshot AI)」が11月6日、大規模言語モデル(LLM)「Kimi K2」を基盤としたオープンソースの推論モデル「Kimi K2 Thinking」を発表した。

K2 Thinkingはパラメーター数が1兆に上る推論モデルで、混合専門家(MoE)アーキテクチャを採用し、「Model as Agent(モデル自体がエージェントとして機能する)」という理念のもとに訓練されている。公式発表によると、複数の国際ベンチマークテストで最高水準(SOTA)を達成。特に専門家並みの知識と推論能力を問う「Humanity’s Last Exam(人類最後の試験)」、ウェブ検索を伴う推論能力を測る「BrowseComp」、複雑な情報収集と推論のベンチマーク「SEAL-0」では、米OpenAIのGPT-5を上回る性能を示した。

中国発オープンソースAI、世界LLMランキングを制覇 「Kimi K2」が首位に

K2 Thinkingは、中国のAIスタートアップ「DeepSeek」のアーキテクチャ設計を継承しつつ、パラメータ数を拡大し、INT4(4ビット量子化)などの次世代技術を導入。出力100万トークンあたりのコストは、GPT-5が10ドル(約1550円)なのに対し、K2 Thinkingは約4分の1のわずか2.5ドル(約390円)とコスト面でも優れている。

AI開発プラットフォームの米「HuggingFace」の共同創業者、トーマス・ウルフ氏ははXで、「次のDeepSeekが登場した瞬間を見ているのか?」と感嘆の声を上げた。

中国DeepSeekの衝撃・創業者独占取材「中国AIがいつまでも米国の追随者であることはない」

ネット上ではK2 Thinkingの訓練コストがわずか460万ドル(約7億1000万円)だったとうわさされているが、Moonshot AIの楊植麟CEOは公式データではないとうわさを否定。訓練コストの大半を研究と実験に費やしているため、コストの定量化は困難だと説明した。また、すでにKimi K2の視覚言語(VL)バージョンの研究を進めていることも明らかにした。

*1ドル=約155円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

36Kr Japanで提供している記事以外に、スタートアップ企業や中国ビジネスのトレンドに関するニュース、レポート記事、企業データベースなど、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」を会員限定にお届けします。無料会員向けに公開している内容もあるので、ぜひご登録ください。

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録