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中国家電量販大手の蘇寧易購集団(Suning.com)は、電子商取引(EC)と実店舗販売の両方を展開する最強の小売店として、10年も持ちこたえてきた。その実力に匹敵する小売企業は他にないだろう。
2019年12月26日に蘇寧易購は29年目を迎えた。親会社である蘇寧控股集団の張近東董事長は社内の祝賀式典で、次の10年に向けた地方振興「521計画」を発表した。自らの産業資源と強みを生かし、全国各地の農村に5000カ所の「蘇寧村」と、10万軒の小売業向けクラウドサービス「蘇寧小売雲(Suning Retail Cloud)」導入店舗と、2000軒の「蘇寧易購中華特色館」を設置し、県や鎮の起業家約10万人を支援する計画だ。
実店舗とオンラインを融合させたモデルを確立してきた蘇寧易購は、家電量販店の実店舗とECサイトだけでなく、スーパー「カルフール」、生活雑貨の「家居極物店(JIWU)」、コミュニティショップ、ベビー用品の「母嬰紅孩子(redbaby)」、スポーツエンターテインメント、不動産、映画館チェーンなどを展開し、様々なジャンルの商品を取り扱っている。農村市場において、「蘇寧小売雲」や消費者が農家から格安で農産物を購入できる「併購村(グループ購入村)」などの新業態を通じて、一挙に中国全土に広がる小売りのトップブランドとなっている。
蘇寧易購の2019年第3四半期財務報告書によると、2019年9月30日現在、小売業向けクラウドサービス「蘇寧小売雲(Suning Retail Cloud)」導入店舗の総数は5587軒に達しており、そのうち直営店が1456店、加盟店が4131店だ。蘇寧が2017年から出店を急加速させた狙いは2つある。
一つは都市住民に向けて、ネットワークの末端として各住宅地に展開していくためだ。
そしてもう一つは、農村地域の家電市場を勝ち取るとともに、農村の産業構造の高度化を推進し、サービス産業の発展を促進することだ。
特に農村部での出店ラッシュ背景には、中国の都市化政策および農村経済近代化の推進に伴い、中国の国内市場に大きな可能性を見出しているといえる。
2020年は蘇寧創立30周年にあたり、オンラインと実店舗を持つ最強の小売店としての挑戦は、全業種で新たな10年サイクルが始まると見られている年だ。蘇寧のこの時における戦略の位置づけと計画には外部環境のニーズも存在する。10年持ちこたえる戦略的目標があることは不思議ではない。
作者:「零售老板内参」(Wechat ID:lslb168)、万德乾
(翻訳・桃紅柳緑)
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