OpenClaw旋風への「回答」——アリババ、企業向けAIネイティブ基盤「悟空」を投入

OpenClaw(オープンクロー)が世界を席巻するなか、中国企業向けの対抗馬が登場した。

今年3月、アリババは新設した「Alibaba Token Hub(ATH)」ビジネスグループ発足の翌日、傘下のDingTalk(ディントーク)」チームが開発した企業向けAIネイティブ・エージェント型プラットフォーム「悟空(Wukong)」を発表した。このタイミングは象徴的だ。OpenClawが中国国内で爆発的に普及する一方で、企業の「利便性は享受したいが、セキュリティが不安」という葛藤が高まっていた時期と重なる。

悟空の核心的な差別化ポイントは、OpenClawの弱点であるエンタープライズセキュリティにある。DingTalkは基盤コードを全面的に書き換え、すべての機能をAIが直接呼び出せるインターフェース(CLI)として再設計した。これにより、エージェントは人間のように画面(GUI)をクリック操作するのではなく、バックエンドのAPIやコマンドを直接叩いて機能を呼び出す。操作はすべて専用のセキュリティサンドボックス内で実行され、権限は企業の既存体系を継承し、トークン消費もリアルタイムで把握できる。DingTalk創業者の陳航(別名:無招)氏は「中国AIの真の競争力は基盤モデルではなく、モデルと業界データの深い融合にある」と語る。

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発表後も開発は加速している。4月初旬には次世代モデル「Qwen3.6-Plus」との接続を完了し、基盤能力をさらに強化。先行導入企業はすべて有料契約に移行しており、ある自動車修理店では悟空を活用して月間100件の新規顧客獲得を実現し、月額5000元(約11万5000円)の利用料を支払っているという。

エコシステム面では、淘宝網(タオバオ)、1688、アリペイ、アリババクラウドなど、アリババ傘下のBtoBサービスが機能モジュールとして順次統合されるほか、EC、製造、法務、財務・会計など10業界向けの「一人チーム(OPT)」ソリューションも提供開始した。グローバル展開も視野に入れており、Slack、Microsoft Teams、WeChatなど主要メッセージングプラットフォームとの連携も順次進める予定だ。

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*1元=約23円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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