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中国の広州市に本拠地を置くファストフードチェーン「真功夫(Real Kungfu)」が15年間にわたりブルース・リーに酷似した人物の画像をロゴに使用してきたとして、ブルース・リーの娘であるシャノン・リー氏が同店を相手取り訴訟を起こした。賠償金として2億1000万元(約33億円)を求めている。
真功夫を運営する「真功夫餐飲連鎖管理(Real Kungfu Catering Management)」はこれに対し、昨年末に中国版ツイッター微博(Weibo)の公式アカウントを通じて反論。「(問題となっている)商標は国家商標局の厳格な審査を経て許諾されたものであり、この15年間でいかなる行政処分および司法処分を受けたことはなく、このたび訴訟の運びとなったことについては誠に遺憾」としている。さらに「示談は考えていない。また現在の商標を変更する予定もない」と語気を強めた。
シャノン・リー氏が代表を務める「ブルース・リー・エンタープライゼズ」は訴状の中で、問題のロゴを即時撤去するよう求めるとともに、賠償金と訴訟費用の支払いを求めている。上海市第二中級人民法院(日本の地裁に相当)が訴状を受理したという。
賠償金の2億1000万元は、ブルース・リーと同じく世界的に活躍するアクション俳優ジャッキー・チェンの商業価値に照らし合わせて算出したもので、年間1400万元(約2億2000万円)の15年分としている。
真功夫のロゴに描かれた人物がブルース・リーに酷似しているとの指摘は今回が初めてではなく、同社も対応を行ってきた。2016年にはブランド一新に伴いロゴも変更。人物の顔が従来のロゴよりも不明瞭となっている。とはいえ、中国人男性武術家のイメージはそのままだ。
国家知的財産権局商標局が運営するサイト「中国商標網」によると、真功夫はこれまでに334件の商標登録を申請しており、最も古いものは2004年の申請だ。2007年にはロゴを変更しており、人物はイラストタッチに修正されているが、ブルース・リーに酷似していることには変わりない。しかし、真功夫はこれまでに商標登録の無効を求める訴えはなかったとしている。
一方のシャノン・リー氏側は近年になってブルース・リーに関連する知財の整理を進めており、真功夫に対しては2010年から同社の商標問題を指摘してきた。2011年には書簡で警告を行っているが、司法手続きには進んでいなかった。
真功夫は中国国内で600店以上の直営店を展開しており、売上高は50億元(約790億円)を超えている。
※アイキャッチ画像は真功夫の公式サイトより
(翻訳・愛玉)
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