ロボットの学習データ、自宅で集めて報酬 中国企業が一般ユーザーに参加募る
フィジカルAI向けデータサービスを手がける中国スタートアップ「覓蜂科技(Maniformer)」 はこのほど、データ収集のクラウドソーシングプラットフォーム「覓蜂派」を発表した。軽量化された収集機器と報酬制度を活用し、一般ユーザーにもロボット学習用データの収集参加を呼びかける。
2026年2月に設立された覓蜂科技は、人型ロボット(ヒューマノイド)大手の智元機器人(AGIBOT)がインキュベートした企業で、現在は独立して運営されている。 幅広い業界を対象に、実機データ、ロボット本体を使わないデータ、シミュレーションデータの収集・処理サービスを提供している。
覓蜂派では、参加者は専用のデータ収集機器「MEgo」を申請して受け取り、アプリで収集タスクを選ぶ。機器を装着し、自宅や職場などで指定された動作を行うことで、ロボットの学習に使うデータを収集する。審査を通過したデータの有効時間に応じて報酬を受け取る仕組みだ。
同社はあわせて「ロボットトレーナー」の募集も開始した。さらにホテル、スーパーマーケット、製造業など50を超える企業・機関と「シーンデータ連盟」を立ち上げ、実際の仕事や生活の場面から得られるデータの供給源を広げている。
中国ではフィジカルAI分野が急速に発展するなか、ロボットの学習に必要なデータ不足は業界共通の課題となっている。従来は、データ収集拠点でオペレーターがロボットを遠隔操作し、物をつかむ、運ぶといった動作を繰り返させる方式が中心だった。こうした手法は機器と人員のコストが高く、データ収集規模の拡大を制約していた。
覓蜂派は、データ収集を分散させることで実機ロボットへの依存を減らし、その後、プラットフォーム側でデータを一括して審査・処理する仕組みを採る。これにより、モデル学習に多様な実環境データを提供する。今後、実際にデータ供給を大きく拡大できるかどうかは、タスク設計の適切さや収集データの品質、その後のデータの後処理効率が鍵となる。
(36Kr Japan編集部)