自動運転開発企業の「実力番付」、中国企業初の首位獲得にウェイモが「待った」

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米カリフォルニア州車両管理局(DMV)が先月、「2019年自動運転解除レポート(2019 Autonomous Vehicle Disengagement Reports)」を発表した。同リポートは自動運転車を開発する各企業が実施した公道試験に関する調査報告で、公道試験での総走行距離や、試験中に自動運転システムの故障などが生じたために実行された自動運転解除回数(手動運転への切り替え回数)について知ることができる。同州では現在64社が公道試験の許可を取得しており、DMVが年に1回発表する同リポートは、業界内では各社の「実力ランキング」とみなされている。

<自動運転の安全性評価はバイドゥが最上位、米加州2019年度自動運転報告書を発表>

同リポートは、自動運転技術において最も成熟している企業のランキングも発表しており、今年は米グーグル傘下のウェイモ(Waymo)を抑えて中国のバイドゥの「百度北美自動駕駛(Baidu USA)」が初の首位となった。上位10位にランクインした企業のうち4社が中国企業で、百度以外には「AutoX 」「Pony.AI」「滴滴無人車(Didi Research America)」が名を連ねた。

2019年度は計36社がDMVに試験リポートを提出した。首位につけたBaidu USAは、公道試験中に自動運転を解除した回数が走行距離2万9060キロにつき1回、ウェイモは2万1283キロにつき1回だった。百度は前年度の7位から1位に浮上した一方、ウェイモは首位から陥落して2位となっている。3位は米GM傘下のGMクルーズ(GM Cruise)、4~5位はいずれも中国企業の「AutoX」「Pony.AI」だった。その他の中国企業は滴滴無人車が8位、「Weride(文遠知行)」が11位、上海汽車(SAIC)傘下の「SAIC Innovation Center」が17位だった。「Roadstar.ai(星行科技)」と小鵬汽車(Xpeng Motors)の自動運転部門「Xmotors.ai」はリポートを提出しなかったため、同州での公道試験許可が取り消しになる。

しかし、この企業ランキングは前出のウェイモやクルーズのほか、米オーロラ・イノベーション(Aurora Innovation)など一部企業の反感を買っている。

AutoX

ウェイモは公式ツイッターを通じ、DMVが自動運転解除回数のみを物差しにして各社の性能を比較している現状に「反対」としている。クルーズやオーロラはさらに直接的にDMVを批判している。クルーズの共同創業者Kyle Vogt氏は自身のブログで「自動運転の解除は多様な状況下で発生し得るもので、車体前面に突然何かがぶつかった場合もあり、自動運転システムに異常が生じた場合もある。また乗車人員が慎重な性格だった場合や運転マナーにのっとった場合もある」と説明。各社の性能を比較するなら、システムの異常による解除回数のみを基準とするべきだとしている。

「車も通行人も交差点もない平坦なエリアで1億マイルの走行実験を行うのと、ピッツバーグのように道路状況の複雑な都市で100マイルの走行実験を行うのとで単純に解除回数を数えても比較のしようがない」。オーロラの共同創業者Chris Urmson氏はこのように主張し、自動運転解除に関する明確な定義がなく、試験実施エリアも各社バラバラな状況下で数字を比較しても意味がないとしている。

大きくみれば、カリフォルニア州は世界で最も多くの自動運転技術開発企業が集まる場所であり、DMVのリポートは同業界の発展の現状を最も反映するものだといえる。2018年度に比べ、2019年度の自動運転業界は技術面で顕著な前進がみられた。自動運転解除回数は前年比93.7%も減少しており、試験リポートを提出した企業も28社から36社に増えている。一方で、業界に詳しい関係者は「ランキングは改善すべきで、さもなくば信ぴょう性を失うだろう」としている。
(翻訳・愛玉)

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