原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
4月16日、アップルやファーウェイなどの顧客を持つ世界半導体製造最大手の台湾TSMC(台湾積体電路製造)は2020年第1四半期(1~3月)の業績を発表した。今年3月31日現在、売上高は3106億台湾ドル(約1兆1000億円)で、前年同期比42%増、前期比2.1%減となった。前4四半期財務報告の指標を超えたが、ブルームバークが予測していた104億6000万ドル(約1兆1300億円)にはわずかに至らなかった。
純利益は1169億9000万台湾ドル(約4200億円)となり、前年同期比90.6%、前期比0.8%の成長を見た。また売上総利益率は前年同期比25.4%増の51.8%だった。
TSMCの主な収入源はスマートフォンで、総収入の49%を占めているが、2019年第4四半期には同収入が総売上高の53%だった。それまでの財務報告は今年の第1四半期を楽観視するものだったが、2月には世界のスマートフォン出荷が大打撃を被ったため、サプライヤーへの注文減少が予測されている。
その他の収入源の割合を見ると、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)30%、IoT(モノのインターネット)9%、カーエレクトロニクス4%、デジタル家電5%となっている。
財務報告を製造部品からひも解くと、2020年第1四半期のウェハー総売上高に占める7nmウェハー収入は35%で、2019年第4四半期とほぼ同じだった。同じく10nmウェハーの割合は0.5%であるのに対し、16nmウェハーは19%だった。この3種類のウェハーはウェハー総売上高の54.5%を占め、前四半期比1.5%減だった。
収入源を地域別に見ると、北米の割合が最大で2020年第1四半期の総収入の56%を占め、前四半期比3%の縮小となった。中国は22%、アジア太平洋地域は11%だった。
研究開発関連の支出は249億7000万台湾ドル(約900億円)で、支出全体の8%、前年同期比22.3%増だった。販売および一般管理費は73億5000万台湾ドル(約260億円)と、全支出の2.4%、前年同期比31.3%増だった。
中信建投証券(CSC Financial)の7日付のレポートによれば、新型肺炎の影響が物流や製造設備の準備などに及び、半導体業界にまで波及する。TSMCの3nmウェハーの試験生産ラインの設置も10月に延期されることになり、その製造は来年初めになりそうだ。
(翻訳・近藤)
原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録