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5Gスマホが2020年に普及することを見込んで、ファーウェイ傘下サブブランド「honor(栄耀)」が新機種「Honor X10」で攻勢を仕掛けようとしている。
5月11日、ファーウェイは同社の西安研究所に「栄耀鋭科技5G実験室」(以下「実験室」と略称)を設立したことを発表。まもなくリリース予定のHonor X10のテストもここで行われる。実験室では世界各国の通信規格、周波数帯、帯域幅をシミュレートすることができ、9種類の周波数帯をサポートするHonor X10のテストに最適の設備になっている。
ファーウェイのコンシューマ事業スマホ担当副総裁の鄭平方氏によると、実験室はHonor X10の開発を想定した作りになっており、実際に同機種の企画立案段階から協力してきたという。その後の設計、テスト、製造にもかかわり、テストだけで3億元(約45億円)以上の投資をしている。世界各国の通信規格を想定した実験をこれまでに50万時間以上行い、100TB以上のデータを蓄積した。
5Gスマホをめぐる競争は激化の一途をたどり、市場研究機関の「HIS」の昨年末の予測によると、2020年の5Gスマホの全世界での出荷台数は2019年より20倍近く増え、2.53億台に達する見込みだという。中国の大手スマホメーカーのファーウェイ、シャオミ(小米、Xiaomi)、Oppo、vivoはともに5Gスマホを最重要視している。ファーウェイが「Honor V30」を3299元(約5万円)の低価格で発表すると、vivoも5Gスマホ「iQOO Neo 3」の価格を2698元(約4万円)に引き下げるなど、すでに価格競争が始まっている。
そして、Honor X10はさらに低い価格に設定されるだろうと考えられている。HonorのXシリーズは一度も2000元(約3万円)超となったことがないためだ。鄭平方氏は、「設計、5G、性能、写真、使用感、品質など、すべての面でX10はこれまでのXシリーズを上回っており、価格も十分ご納得いただける水準に設定した」と話している。
ライバルのシャオミ、Oppo、vivoが価格を下げたことの影響について、鄭氏はファーウェイ全体の開発力によって、Honorの製品力を支えていることが最大の強みだと話した。
2020年第1四半期のスマホの出荷台数は大幅に減少している。ICT産業の政府系シンクタンク「中国信息通信研究院(CAICT)」の集計によると、中国国内のスマホ出荷台数は前年同期比で36%下がったという。世界市場について、市場調査機関の「Omdia」は、2020年の世界全体のスマホ市場は15%縮小すると予測している。市場全体が厳しい状況を迎えるなか、成長を続ける5Gスマホで成功を収めることはより重要になるだろう。
(翻訳:小六)
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