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モバイル決済サービス「アリペイ(支付宝)」がUIデザインのバージョンアップをしてから2カ月がたった。ライフスタイルサービスのデジタル化を加速させている。5月20日、オンラインで提携パートナーシップ会議を開き、新型コロナウイルス流行時のサードパーティー提携パートナーとのケーススタディなどを紹介した。また、各自治体との協力により実施したモバイルクーポン発行状況なども明らかにした。
アリペイは2か月前のバージョンアップに続いて、UIデザインも微調整している。
(1)トップページには、デジタル版政務サービス「市民センター」のボタンを開設。
(2)「送金・入金」を一つに統合し、新たに「お出かけ」を加えた。こうすることで路線バスや地下鉄の乗り降りがスムーズに行える。またシェアサイクルとタクシーもこの「おでかけ」から入ることになる。
(3)このほか、サードパーティーのミニプログラムへのアクセスも向上した。Sランクに評価されたミニプログラムはアリペイ「優先サポート」のサービスを受けることができ、プラットフォームでのアクセスの集約化を実現できる。ユーザーもカスタマイズでアプリをこのトップページに追加することができる。
アリババグループ傘下のフィンテック会社「アント・フィナンシャル(螞蟻金服)」の胡暁明CEOは、アリペイの新バージョンは5月21日からグレースケールテストに入ったことを明らかにした。
胡CEOによると、3月以降、すでにサービス事業者3000社余りが同社のデジタル経営モデルチェンジ計画に参与している。うち人気ティードリンクスタンドの「HEYTEA(喜茶)」のアリペイ上ミニプログラムはこの2か月間でMAU(マンスリーアクティブユーザー)が15倍も増えている。また検索アクセス件数の割合が全体の50%を占め、リピート率は5倍に上昇、取引きも50倍向上した。さらに短距離輸送プラットフォームの「貨拉拉(Lalamove)」は4月の取引きが3月比で667%増、新型コロナウイルスの感染拡大中は業績が90%ほど落ち込んだが今は見事なV字回復をみせた。
アリペイは今回のバージョンアップにより、さらに多くの企業とサービス事業者を取り込むことを狙っている。アクセスの集約化とビジネスオペレーティング運営能力の強みによって優れたサービス事業者をサポートする形をとる。
このほか、同会議では、新型コロナウイルス感染拡大中には自治体と提携しモバイルクーポンを共同発行したことに関する総括も行った。今年に入ってから、アリペイはすでにクーポンを6回発行している。中国でクーポンを発行している都市170か所余りのうち、100都市がアリペイを利用している。アリペイクーポンを1元(約15円)発行すれば、平均8元(約120円)の消費をけん引するといわれる。
20日に行われた会議では、重慶、南寧など13都市のビジネス・経済関連の政府関係者がアリペイクーポンについてその場で支持を表明している。
「前回は12年前に杭州でクーポンを発行した。当時は100人余りを使って配布、照会作業を行っていた」が、「今ではモバイルクーポンの発行が紙のクーポン券より千倍以上も効率がよい」と胡氏は話す。
同社は、その他のインターネットプラットフォームや従来の人的な配布に比べ、発行率や照会率などいずれの点においてもこれまで以上の効率となっているとしている。
中国メディアの「上観新聞」の調べで、政府系プラットフォーム、中国のスーパーアプリ「WeChat(微信)」、銀聯の決済アプリ「雲閃付(Quick Pass)」などのプラットフォームと比べても、アリペイクーポンの発行量が最も多いことが明らかとなった。
今年の新型コロナウイルス発生以来、感染拡大防止の各種関連商品とサービスも同社のユーザーアクティブデータをより大きく増大させることにつながったとみられる。
アリペイプラットフォーム運営事業部の担当責任者である諶偉業氏は36Krの取材に対し、「ヘルスケア関連のサービスはアリペイのユーザー心理と実際のデータに大きな影響を与えている。ユーザー構成からみても、多くの中高年層のユーザーを獲得していることが分かる。各自治体と共同でクーポンを発行することは、アリペイでの支払いをけん引するのに効果的であり、具体的なデータは今後改めて発表する予定だ」と話した。
(翻訳:lumu)
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