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北京時間6月12日夜、中国のがん精密医療のリーディングカンパニー「燃石医学(Burning Rock Dx)」がナスダックに上場した。証券コードは「BNR」。次世代シーケンス(NGS)によるがん検査を主要業務とする中国企業の初の米国上場となった。約2.5億ドル(約270億ドル)を調達予定で、がんの早期診断技術、がんのコンパニオン診断の承認取得、その他の経営管理上の支出に使われる。
燃石医学は2014年に設立され、がん患者向けの各種検査、がんの早期診断、がんゲノムビッグデータの3業務を中心とする。
同社は2014年に初のNGS検査製品の提供を開始。現在は臨床検査において、がん分子標的薬と免疫療法のコンパニオン診断、腫瘍の良悪性識別、微小残存病変の検査、腫瘍再発予測などを行うことができる。
5月22日に提出された目論見書によると、2017年〜2019年の3年間、燃石医学の売上高はそれぞれ1.112億元(約17億円)、2.089億元(約31億円)、3.817億元(約57億円)であり、2018年は87.9%、2019年は82.7%伸びたことになる。投資コンサルティングファームの「灼識投资諮詢(China Insights Consultancy、以下「CIC」)」のレポートによると、NGSの結果に基づきがん治療薬を選択した患者のうち、26.7%が燃石医学のサービスを利用したという。肺がんに限れば31%となる。
2020年3月31日の時点で、燃石医学のNGS検査は国内44の総合病院で導入されている。CICのレポートによれば、中国でのNGSによる病院向けがんソリューション市場において、燃石医学のシェアは79.9%に上る。また、同社はアストラゼネカ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、バイエルなどの世界的製薬企業や、中国の「百済神州(BeiGene)」、「中国生物製薬有限公司(Sino Biopharm)」、「基石薬業(CStone Pharmaceuticals)」などトップ企業に自社の中央実験室を提供し、コンパニオン診断の共同開発を行っている。
がんの早期診断では、燃石医学は中国のトップクラスの臨床研究機関と提携し、9種類のがんに関する20近い研究を行っており、がん患者、良性腫瘍患者、健常者計8000余名の組織や血液サンプルをもとに、がん早期診断のモデルを構築している。
また、燃石医学は2020年5月7日に、中国初の1万人超の網羅的がん早期診断研究プロジェクト「PREDICT」をスタートした。当該プロジェクトは1.8億元(約27億円)の予算で1万4000人を対象に、主に復旦大学付属中山病院で研究を行う。研究代表者は中国科学院メンバーの樊嘉氏。
CICのレポートでは、2030年に中国のがん早期診断の市場規模は2000億元(約3兆円)超となると予測。中国国内の遺伝子検査はまだ始まったばかりで、燃石医学にとってはまたとない好機である。
(翻訳:小六)
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