フェースブックのザッカーバーグ氏、TikTokを敵対視する理由

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フェースブックのザッカーバーグ氏、TikTokを敵対視する理由

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米国が中国ショート動画プラットフォーム「TikTok」への圧力を強化し続けるなか、マーク・ザッカーバーグ氏もTikTokへの批判を強めている。なぜ彼は、これほどまでにTikTokを警戒するのだろうか。

クリーンではないザッカーバーグ氏

Facebookを創設する前に、ザッカーバーグ氏はハーバード大学のルームメイトと「facemesh」という画像格付けサイトを開発したことがあった。このサイト開発のためにザッカーバーグ氏はハーバード大の学生情報システムにハッキングしており、大学から処分を受けたことがある。

Facebookもクリーンではない。ハーバード大の学生であるWinklevoss兄弟が「ConnectU」というSNSを開発する際、ザッカーバーグ氏の協力を得たが、ザッカーバーグ氏はConnectUを研究した後、類似した機能を持つFacebookをルームメイトとともに開発したのである。その後、Winklevoss兄弟とザッカーバーグ氏はこの件で裁判になり、ザッカーバーグ氏がWinklevoss兄弟に6500万ドル(約69億円)の賠償金を支払うという判決が下された。

また、ザッカーバーグ氏はFacebookの初代CEOショーン・パーカー氏とともに、共同創業者のエドゥアルド・サベリン氏の株式を希薄化させ、会社から離れるよう仕向けた後、ショーン・パーカー氏とも決裂している。

このように、Facebookの創設から成功に至るまで、ザッカーバーグ氏は決してクリーンというわけではなく、巨大プラットフォームに成長したあとも、ライバルを次々と追い落としてきたのである。

Snapchatの台頭

巨大企業がひしめき合うSNS市場において、新しいSNSにとって、若者、女性を取り込むことは、風穴を開けるための有力な方法であり、その好例がSnapchatだ。

若者を取り込むことから成功したSNSの一例

Snapchatは米国の高校生の間で流行し始め、その後も高校生に特化した新機能の追加と改善を続けた。その結果、今や米国の若者の間で最も人気のあるSNSに成長している。

FacebookはSnapchatに買収を持ちかけたが、拒否されると、2012年末に似た機能を持つアプリ「Poke」を発表した。Pokeはサービス開始の2日後にアプリストア無料ランキングトップになったが、その後すぐに30位以下になり、1カ月後には700位以下になった。対照的に、Snapchatの人気は全く衰えず、順調にランキングを伸ばしていた。新規サービスの失敗と、ライバルのアプリをコピーした行為が批判されたこともあって、Facebookは2014年5月にPokeのサービスを終了した。

そして、TikTokも、Snapchatと同じように若者を取り込んで成長した、より強力なライバルである。

Instagramを直撃するTikTokの成長

ロイターが2019年11月に発表したデータによると、米国のTikTokユーザーの60%が16〜24才であり、2019年8月までは、アクティブユーザーの多くが13〜19才の中学生だというデータもあった。アプリ分析メディアの「App Ape Lab」もGoogle Playのデータから、米国のTikTokユーザーの平均年齢は20才で、女性が男性の2倍という分析結果を発表している。つまり、新たなSNSが成長するために必要な若者と女性を取り込むことに、TikTokはすでに成功しているのである。

その影響を直接受けているのが、Facebook傘下のInstagramである。TikTokのユーザーの多くはInstagramから移ってきており、Instagramでトップクラスの人気を誇るインフルエンサーのNegin Mirsalehi氏、Brittany Xavier氏、 Camila Coelho氏、Tina Leung氏、Chiara Ferragni氏なども続々とTikTokアカウントを開設した。

つまり、TikTokは若者と女性ユーザーに人気のある世界的なプラットフォームであり、Instagramを脅かそうとしているのである。ザッカーバーグ氏のこれまでのやり方を考えれば、彼がライバルを徹底的に潰しにかかることは想像に難くない。そのため、これまで中国に友好的な態度を見せてきたにもかかわらず、彼は一転してTikTokを敵対視するようになったのである。

(翻訳:小六)

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