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AR(拡張現実)用光学モジュール開発の「深圳瓏璟光電技術(Shenzhen Lochn Optics Technology )」(以下、Lochn Optics)が生産能力拡大のため、広東省深圳市の深汕特别合作区に生産基地を新設した。
2014年に設立されたLochn Opticsは、技術開発と生産を手掛ける光エレクトロニクス企業として、AR用光学モジュールの開発・生産・販売に特化し、中国ではいち早くアレイ導波路の量産を実現した。同社の製品を用いたARグラスは、警察・警備関係や工業、観光、医療など多分野で活用されている。
今回新設された生産基地は総面積1万6400平方メートル、うち工場部分の8000平方メートルは内装工事を終えている。同社は新たな生産基地で、生産力と新技術の開発能力を大幅に増強する。また、大量生産可能なアレイ導波路モジュールメーカーとして、今後3〜5年で見込まれるARの発展を視野に、回折導波路に関する技術開発の基盤を構築する。
米調査会社IDCは、2019年から23年までにARグラス市場の年平均成長率が140.9%になるとの見通しを示している。ファーウェイ(華為科技)も、2025年までにARグラス市場が1510億ドル(約16兆円)に成長するとの予測を発表している。Lochn Opticsは以上のような市場予測を受け、生産基地の新設による生産規模の拡大に踏み切った。
Lochn Opticsは現在、アレイ導波路と回折導波路に関する技術開発に注力し、アレイ導波路モジュールを主力製品としている。導波路レンズの製造においては、ARデバイス用光導波路に必要となる高度なガラス冷却加工技術や、ナノレベルでの膜厚の制御、フィルムの正確な貼り付けなどが必要とされ、量産化の壁となってきた。同社は新たに設立した深汕生産基地で、歩留まり率と生産能力の向上を実現しようとしている。同生産基地は、AR用光学モジュールを手掛ける新興企業が操業する生産基地としては最大となる。
Lochn Opticsは深汕生産基地の建設に約1億元(約15億円)を投じている。これは同社が今後の受注を確実視していることと、十分なキャッシュフローがあることを示している。資金面を見ると、今年初旬にシリーズA+で既存株主の「源星資本(VSTAR CAPITAL)」と「君盛投資(Junsan Capital)」から追加出資を受けたのに続き、7月にはシリーズBで「中信証券投資(CITIC Securities Investment)」から資金調達を果たしている。
同社の馬国斌CEOは、今後1、2年で大企業から光導波路に関連する製品のリリースが相次ぎ、AR市場がさらに活性化するとの見通しを示している。また、同社は今年の出荷量を昨年の50~100倍にする計画で、現在の出荷量はすでに昨年の20倍に達しているという。
現在、家電メーカーやIT企業もARグラス業界への進出を強めている。マイクロソフトの「HoloLens」やグーグルの「Google Glass」がすでに第2世代をリリースしているほか、アップルもこの分野に進出する動きを見せており、サプライサイドには高性能かつ低コストな光学モジュールの供給が求められている。
導波路は現在のところ、ARグラスに適用される最高のソリューションだとされている。Lochn Opticsは現在の主流である屈曲率分布型アレイ導波路の大規模量産化に成功しており、今後の主流になるとみられるレリーフ型グレーティング導波路を用いた導波路の展開も進めていく。
Lochn Opticsは、今後も引き続き顧客に寄り添いながら製品の開発・生産を進め、ARの発展を推進していく考えを示している。(翻訳・田村)
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