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新興EVメーカーの資金調達ブームは、中国国内だけでなく、海外でも起きている。消息筋からの情報によると、評価額約30億ドル(約3200億円)の米EVメーカー「Lucid Motors」が、シリーズpre-IPOの資金調達を模索しているという。調達が完了すれば、来年内にIPOをする予定だ。資金調達は海外だけでなく、中国国内でも一部行われる予定。
Lucidは海外において、すでに株主の「PIF」(パブリック・インベストメント・ファンド、サウジアラビアの政府系投資ファンド)から主要条件をまとめたタームシートを受領している。中国国内では、最大10億ドル(約1100億円)を目処に投資を募っている。中国からの投資を頼りに、中国国内での展開や、2022年に中国に工場を設立する計画を進めたい考えだと見られている。
上述の情報について、Lucidにメールで取材を申し込んだが、現時点では返答を得られていない。
テスラに挑もうとするメーカーは多いが、本当に実力を備えた企業は少なく、Lucidはそのなかの1社である。同社は9月初めに量産車の「Lucid Air」を発表した。4モデルの価格が7万2500ドル〜16万1500ドル(約770万円〜約1億7000万円)となっており、最短で来年第2四半期に納車できるという。
公表されたデータを見る限り、Lucidの車両のパフォーマンスはテスラと同等かそれ以上である。Lucid Airの「Grand Touring」モデルの航続距離は832キロに達し、テスラの「Model S ロングレンジ」の640キロを大きく上回る。Lucid Airの「Dream Edition」の最大馬力は1080kWで、0から96 km/hに加速するまでの所要時間はわずか2.5秒であり、「Model S パフォーマンス」モデルの2.3秒に迫る水準だ。
また、Lucid Airは最大300kWでの充電が可能であり、これもテスラが最新のソフトウェアアップデートにおいて実現した225kWより高い。
Lucid社の旧社名は「Atieva」で、創業は2007年。共同創業者の大半がテスラの元高級管理職である。Atievaはバッテリーパック、バッテリーマネジメントシステムの開発を行い、それをほかのEVメーカーに提供する業務が中心だったが、2016年10月から、完成車を開発するようになった。それに伴い、社名をAtievaからLucid Motorsに変更した。
そのため、Lucid Motorsは10年以上の歴史を持つことになるが、中国の新興EVメーカーが4〜5年で上場まで成長するのと比較すると、成長が遅いと言わざるを得ない。同社の従業員はまだ1000人前後であり、これまでの資金調達額は15億ドル(約1600億円)未満である。そのため、同社が技術的優位性をいつまで保てるのか、疑問視する意見もある。実際に、今年9月末にテスラが発表した「Model S Plaid」モデルは、航続距離が836キロ、0〜96 km/hまでの加速時間が2.1秒未満と、Lucidを上回る数値を打ち出している。
技術のほかにも、車両の量産に伴う納車、ブランディング、販売チャネル、アフターサービスなどの課題がある。テスラと中国の一部新興EVメーカーがすでに乗り越えたこの難関を突破するために、Lucidは調達した資金によって、早期に解決策を見いださなければならない。
(翻訳:小六)
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