中国、製薬業界の意思決定にAI実用化が進む、新薬発見や有効性の予測も

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中国、製薬業界の意思決定にAI実用化が進む、新薬発見や有効性の予測も

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製造業向けの意思決定支援プラットフォームを開発する「沃時科技(HOURS)」が、エンジェルラウンドでの資金調達を行った。出資者は「馳星創投(AISTAR FUND)」。

意思決定支援プラットフォームとは、データとアルゴリズムを使い製造過程を最適化し、コスト抑制と生産性の向上を実現するシステムだ。沃時科技の意思決定支援プラットフォームは、医薬品、化学品、エネルギー、部品製造などに使うことができる。

これらの業種のなかでは、医薬品のCRO/CMO(医薬品開発業務受託/医薬品製造業務受託)の成長がもっとも注目されている。コンサルティング会社「Frost & Sullivan」によると、世界の製薬業界におけるCROの浸透率は2006年の18%から2017年の44%に伸びており、同社では2020年末には54%になると予想している。

CRO/CMOは中国国内でも同様に急成長しているため、沃時科技もこの業界向けにプラットフォームの実用化を始めた。製薬業界でのAIの実用化は米中などで進んでいるが、沃時科技の強みはどこにあるのだろうか。

この点について、同社の創設者である曾琢博士は、「他社のAIは、新薬発見に特化したものが多いが、沃時科技のAIプラットフォームは、新薬発見に必要な有効性の予測のほか、製造工程のソリューションをも提供できる」と話す。さらに、モジュール化されたサービスを提供し、顧客が自身のニーズに合わせて選択できるようにしている。APIも公開されており、顧客がクローズドの環境でテスト・使用することが可能で、データの安全性が保証される。

新薬発見と製造双方に使用できる沃時科技のプラットフォーム

アルゴリズムの面では、単一のモデルの代わりに混合モデルを採用し、複数の目標を同時に最適化する計算を行い、不確実性を考慮に入れた予測・対策を行うことも可能だ。現在同社のプラットフォームは1億以上の制限条件を持つモデルを構築し、最適解を導き出すことができるという。

沃時科技のプラットフォームはすでに複数社が利用しており、その中にはCRO/CMO業界の上場企業も含まれている。稼働状況は良好で、コスト抑制と開発精度の向上を実現できているという。

不確実性を考慮に入れることのできる沃時科技の技術は、CRO/CMO業界のほか、同様の複雑さや不確実性を持つほかの業界へ展開できることも魅力だ。サプライチェーン、設備故障の予測、生産計画スケジューリングなどでの応用が想定される。

同社の主要メンバーは中国国内外の有名大学の出身者で、開発陣は全員海外で博士号を取得している。(翻訳:小六)


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