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無印良品が中国で生鮮食品を扱う新たな業態を始めることがわかった。これまでにも書店、飲食店、ホテル、住宅リノベーションサービス、コンビニエンスストアなど中国内でも多くの業態を展開してきたが、新業態のスーパーマーケットが上海に中国初の店舗を開業する予定だ。
今月15日、上海の大型商業施設「瑞虹天地(XINTIANDI RUIHONG)」が2021年までに完成予定の新施設「太陽宮(HALL OF THE SUN)」のテナント募集説明会を開催し、同施設に無印良品が展開するスーパーマーケットが入居する予定だと発表した。
新業態は仮称「MUJI meal solution supermarket」あるいは「MUJI marche」。無印が生鮮食品を扱うのはこれが初めてではなく、日本ではすでに東京と大阪で、生鮮食品売り場を併設した二店舗を開業している。2018年に大阪で開業した「無印良品イオンモール堺北花田店」では、無印良品の店舗としては世界最大面積のスーパーマーケットを謳い、4300平方メートルの売り場を展開。青果、鮮魚、精肉などを販売するほか、店舗で購入した食品の加工やイートインも可能で、従来の衣料品や雑貨と同時に食品の購入もできるようになっている。
無印良品は近年、業績が思わしくない。米国の子会社「MUJI USA」は今年7月、新型コロナ禍の影響もあり破産法を申請。2005年に進出した中国市場でも近年は品質問題などが相次ぎ、成長に歯止めがかかった。店舗販売は2年連続で減少、現在では270店舗を展開するにとどまっている。
中国市場で再起を図るにあたり、頻繁に掲げているのが新規事業の開拓だ。暮らしの美学を謳う「MUJI BOOKS」、一等地に構える「MUJI HOTEL」、軽食類を提供する「MUJI Diner」、暮らしの空間を提案するリノベーションサービス「MUJI INFILL」、オフィスエリアを中心に弁当などを提供するコンビニ「MUJIcom」と多くの業態を展開してきたが、いずれも店舗数は数店に留まり、拡大に移る気配はない。
中国で生鮮食品を手がけるプレーヤーは多く、新たな販売戦略を生み出すケースもますます増えている。新型コロナ禍に見舞われた今年は、アリババ系の生鮮スーパー「盒馬鮮生(Hema Fresh)」が住宅地をターゲットとした小型店舗「盒馬mini」や会員制店舗「会員店」を出店、テンセント系の「毎日優鮮(Missfresh)」は店舗なしの業態でオンライン販売を強化している。地域コミュニティ向けの共同購入モデルも業界に風穴を開けている。
中国事業不振の挽回策として無印が温めている生鮮業態だが、中国ではかなり競争の厳しいカテゴリーとなっており、成功は決して容易ではない。
(翻訳・愛玉)
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