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人工心臓の研究開発を手掛ける「核心医療科技(Hexin Medical Equipment)」(以下、核心医療)はシリーズAで約1億元(約15億8000万円)を調達した。リード・インベスターは「聯新資本(New Alliance Capital)」、コ・インベスターは「普華資本(Puhua Capital)」、「倚鋒資本(Efung Capital)」。調達した資金は主に超小型磁気浮上型人工心臓の臨床研究および新製品開発に充てる。
核心医療は2016年設立で、人工心臓の研究開発に特化している。すでに世界最小、最軽量の磁気浮上型人工心臓を開発済みで、心不全治療向けの製品とソリューションを提供する。
核心医療が開発して知的財産権を保有する「超小型の磁気浮上遠心式人工心臓」は、直径34ミリ、厚さ26ミリ、重さ約90グラムで、通常の磁気浮上型人工心臓よりも直径は40%小さく、重さは60%軽い。
同社の実験データによると、同製品は血液適合性が極めて高く、溶血、血栓および血液細胞の破壊などが発生しないうえ、さらに消費電力が低く、バッテリー持続時間は長く、あまり発熱しないという点で優れている。
同製品は心不全末期患者の治療にとどまらず、心臓移植前の使用や心臓の機能回復補助のために短期的な使用も可能だ。さらに、ECMO(体外式膜型人工肺)に代わる体外循環補助など臨床で広く使用されている。
現在、人工心臓は世界的にも推奨されている心不全治療法の一つだ。「中国心臓血管健康および疾病報告書2019」によると、中国の心血管疾患の罹患率は上昇が続き、患者数は3億3000万人に上ると推計される。うち1370万人が心不全患者で、約60万人が末期の心不全患者だ。しかし、ドナー不足などから心臓移植手術は毎年600例余りにとどまり、人工心臓に大きな期待がかかる。
世界で広く使用されている米製薬大手アボット・ラボラトリーズの磁気浮上型人工心臓は、2年生存率が79%で心臓移植の生存率82%に迫る。
現在、世界では3万人以上の患者が補助人工心臓(VAD)を移植している。中国では臨床においてVADの需要が大きく、心臓・血管の疾患の治療に関わる医療機器と臨床応用が注目されている。
現在、超小型の磁気浮上遠心式VADの技術開発が進んでいる。特筆すべきは、磁気浮上技術は人工心臓の血液適合性において画期的な成果を上げたが、技術が複雑なために超小型化はなお難しい挑戦であることだ。
専門家は、超小型の人工心臓は体積が小さいため手術方法や移植する位置を柔軟に選べ、多くの患者に使用できると話している。
投資家の見方
聯新資本は、人工心臓は技術面のハードルが極めて高いが、ドナーが不足する現状では臨床応用に大きな将来性があるとみる。
普華資本は、中国の人工心臓開発と応用分野を有望視しており、「超小型の磁気浮上型人工心臓」を開発した核心医療は補助人工心臓分野の重要な企業になると話す。
倚鋒資本は、人工心臓は最も複雑で最も精密な医療機器の一つであり、その研究開発や生産能力は、中国の高度医療機器の技術の高さを示していると語った。(翻訳・二胡)
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