難易度の高いナノシーケンサーに特化 遺伝子検査設備の国産化を目指す「羅島科技(NJRInano)」

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「羅島科技(NJRInano)」は、有名アクセラレーター「Plug and Play」の中国支社が出資したスタートアップで、DNAシークエンシング技術や設備を開発している。

これまでの10年間で、遺伝子検査技術は大きく進歩し、社会に変化をもたらしてきた。DNAシークエンシングは、遺伝子検査に必要な基本的技術であり、その方法として、ナノポアシーケンサーが用いられている。ナノポアとはナノスケールの穴であり、DNAをこの穴に通過させ、通過するときに発生する電流の変化を計測することで、分子構造を同定する仕組みだ。

このナノポアには、生体原料に穴を空けたものと、固体材料に穴を空けたものがある。羅島科技の最大の特徴は、後者の固体ナノシーケンサー技術に特化していることである。これは最新の技術であり、現時点でこうした技術を持つ企業はごく僅かである。

羅島科技の技術は、DNAの熱運動による影響に強く、1Mbp(Mega base pairs、塩基対100万個、染色体の長さを表す単位)以上の長いDNAのシークエンシングができ、かつ99.99%の正確性を誇る。また、固体ナノポアは繰り返し使うことが出来、量産化することが容易なため、今後の遺伝子検査のさらなる普及によるニーズの増加に対応できる。

画像は羅島科技より

羅島科技は、こうしたナノポアの設計から製造までを、小規模ながら蘇州の本社で行うことができる。同社は蘇州バイオメディカル産業パークにある。産業パークには川上・川下産業の企業が集積しているため、設備の調達や試作が容易になっている。同社は2〜3年以内に、固体ナノポアシーケンサーのプロトタイプを発表する予定だ。

遺伝子検査の産業チェーンでは、シーケンサーが川上となり、最も利益の高い分野でもある。現在のシーケンサー市場は、海外の「Illumina」、「Thermo Fisher」などによる寡占状態であり、価格が高止まりしている。そのため、中国の当該分野の企業は、より低価格な製品の開発に取り組んでいる。羅島科技は、半導体製造技術の進歩と、精密機器の国産化が進んでいるため、高精度を保った上でのシーケンサーの国産化、低価格化が可能だと見ている。

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羅島科技はシリーズAの資金調達を計画しており、目標調達額は5000万元(約7億5000万円)だ。資金は設備の製造や人材募集に使われる。同社は今年6月、蘇州リーダー人材の称号を授与され、資金援助を獲得した。同社の凌新生董事長は、米ブラウン大学のテニュアであり、蘇州大学高等研究院の院長や米物理学会フェローを務める著名な研究者である。

(翻訳:小六)


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