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市場調査会社「IDC」と産業用ネットワークの普及を担う「浪潮(Inspur)」はこのほど、「2020~2021中国人工知能(AI)計算力発展評価リポート」を発表した。2020年の中国のAI市場規模は62億7000万ドル(約6500億円)に達し、2019~24年の年間複合成長率は30.4%と、世界各地域の中でAIへの投資成長率が最も速い国になるとの見通しを示した。
01.世界のAI計算力では中国が3割、国内上位は、北京、深圳、杭州
AI計算力は人工知能(AI)産業発展のカギとなる指標だ。IDCによると、2020年の各国のAI計算力は、米中両国でAIサーバーへの支出がサーバー全体の支出の10%を超えており、最も高い比率となった。
IDCの統計では、世界のAIサーバー市場の3分の1を中国のAIサーバーが占めているという。つまり世界のAI計算力のうち3割が中国ということになる。
また、IDCの調査リポートでは、中国国内のAI計算力トップ5は北京、深圳、杭州、上海、重慶となっている。
そのうち、北京は政策の後ろ盾もあり、全国の50%以上の人材と3分の1強のAI関連企業が集まっている。北京大学、清華大学、中国科学院オートメーション研究所など中国の過半数以上のAI中核研究機関が集まっており、トップとなった。
02.AIの市場成長率はアメリカを超える30%、新型インフラが主な原動力
新型コロナウイルス感染拡大で、世界経済は大きな影響を受け、デジタル化転換の必要性が顕著となった。IDCは、新型肺炎の終息後、新型インフラが経済成長を刺激する主なけん引力になるとみている。
2020年の新型インフラ全体への投資規模は2757億1000万ドル(約28兆円)に達する見通しだ。AIは新型インフラの重点分野の一つで、今後、急成長期を迎えるとみられる。
IDCはまた、ハード・ソフトウエア、サービスなどを含む中国のAI市場規模は2020年に62億7000万ドル(約6500億円)に達し、2019~24年の年間複合成長率は30.4%になると見込んでいる。以下のグラフからも見て取れるように、ハードウエア市場が市場全体の多くを占めており、2020年にはその比率は62.7%に達する見通しだ。
今年は新型コロナウイルスの影響を受け、IT投資も国家の経済成長率も鈍化したが、37.3%という中国の成長率は世界各国のAI投資の中で最も高い。アメリカの同時期のIT投資は低下傾向にあり、AI全体の計算力への支出も昨年とほぼ横ばいで、大きな成長はみられない。
03.産業のAIニーズが旺盛、インターネット、政府、金融への活用が堅調
2020年はAIの各業界への浸透率がいずれも上昇した。
IDCの継続分析と最新のユーザー調査によると、AIの業界浸透率はインターネット、政府、金融、通信、製造がトップ5だという。2019年に比べ、通信業のAI応用が加速しており製造業を抜いて4位となった。
2020年上半期、医療業界は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、AI応用が急速に広まった。医療業界は昨年8位だったが、教育業界を抜いて今年は7位に浮上した。医療業界で多くの成果が現れていることが順位上昇の一要因となっている。
下の座標図はリポートの中でも使用されている「2020年における中国AI応用シーンの発展」。IDCは、AIの応用は今後数年間、小売業、製造、通信、自動運転、医療などの業界を有望視している。
作者:智東西(WeChat ID:zhidxcom)、李水青
(翻訳:lumu)
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