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中国のスマート農業機械メーカー「豊疆智能(FJ Dynamics)」は昨年12月、シリーズAでIT大手テンセントなどから数億元(数十億円)を調達したと発表した。調達した資金はコアテクノロジーと製品の研究開発、事業化に充てられる。
2017年12月に設立された豊疆智能は、農業向けのスマート化およびデジタル化ソリューションを提供しており、農業、畜産業、ビッグデータ、産業用ロボットなどの事業セグメントを抱える。農業機械に関しては耕起、播種、管理、収穫という4つの作業にフォーカスし、提携先と共に田植機やコンバイン、トラクターなどの無人農機ソリューションを開発している。
昨年5月にはシリーズA1で「大湾区共同家園投资(Greater Bay Area Homeland Investments)」から1億元(約16億円)以上を調達しており、それ以前にも「東風汽車(Dongfeng Motor)」「新華保険(NCI)」などからの出資を受けていた。
豊疆智能のビジネスモデルは販売がメインで、一部リースも取り入れている。販売代理店を通じて受注する方式を取っており、新疆ウイグル自治区、東北地方、湖北省、江蘇省など中国各地で活用が進んでいるほか、欧州や日本などの海外市場にも進出を果たしている。同社は「江蘇省農墾農業発展(Jiangsu Provincial Agricultural Reclamation and Development)」など近代農業の従事者に向けたオーダーメイドのスマート農業ソリューションを打ち出し、スマート農業モデル地区で実施している。
昨年5月に36Krが豊疆智能を取材した際には、新型コロナウイルス感染症の影響で農村の人手不足が深刻化しており、スマート農機を求める市場の声がいっそう高まっていると語っていた。例えばスマート田植機は2019年の販売台数が200台ほどだったが、2020年第1四半期の時点ですでに200台を超える注文があったという。
感染拡大期間中には、ショート動画プラットフォーム「抖音(Douyin、TikTokの本国版)」や「快手(Kuaishou、海外版は『Kwai』)」のライブ配信チャンネルを開設し、低価格商品の販売を行った。オンラインで注文すれば、販売代理店が発送から設置、アフターサービスまでを一手に引き受けてくれる。
創業者の呉迪氏は、豊疆智能がいち早くスマート化を実施したのが大規模農業の分野だと語り、今後もAI+IoTやロボット技術をさまざまな分野に活用して、デジタル化を行うことで畜産業などの従来型産業の構造転換を後押ししていきたいとの考えを示した。
テンセントの投資部門「騰訊投資(Tencent Investment)」の董事総経理・余海洋氏は今回の出資について次のように語っている。「テンセントは先端技術の発展とそれがもたらす産業効率化のチャンスに注目してきた。農林水産業の機械化、スマート化が進む中、豊疆智能は確かな技術力と使命感によりユーザーファーストで製品開発を行い、技術革新を通じて産業の経済効果をいっそう高めてくれると確信している」
(翻訳・畠中裕子)
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