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中国の商業宇宙産業は2015年から急成長し、2019年には市場規模が8362.3億元(約12兆円)にまで拡大した。それに伴い、宇宙航空に必要な設備・部品へのニーズが急増している。一社だけですべての部品を賄うのは不可能なため、より大規模な産業に発展するために、高度な産業チェーンが求められている。
この産業チェーンの構築に目をつけたのが、宇宙産業に特化した取引プラットフォームを運営する「太空工廠(space factory)」という企業だ。同社は中国の宇宙航空の産官学コンソーシアム「未来宇航(future space)」がインキュベートした企業である。現在法人顧客を中心に、企業同士のマッチングや貿易の仲介を行っている。
太空工廠の取引プラットフォームは、宇宙開発企業向けのECサイトだと言える。商品や企業情報の閲覧、国際貿易にかかる手続きや決済をすべてプラットフォーム上で行うことができる。サプライヤー管理、受注管理、売上レポート、データ分析など、簡単なビジネスツール機能も備えており、プラットフォームは全世界向けに運営されている。未来宇航の副総裁で、太空工廠を担当する寧少傑氏によると、プラットフォームのローンチからまだ半年未満だが、国内・海外ともに同プラットフォームを介した取引が成立しているという。
プラットフォームの使い方自体は簡単で、通常のECプラットフォームとほぼ同じ感覚で商品を選び、決済することが可能だ。
同社の目下の目標は、まずプラットフォームを利用する企業を増やすことだ。中国には500の民間宇宙開発企業があるが、現在会員登録しているのは約70社だ。寧氏はそれを300社に増やしたいとしている。会員数が増えれば、取引件数が増えるため、受注管理を改善し、効率を上げることも目指している。
太空工廠は多くの企業と独占代理契約を結んでおり、プラットフォーム上の製品の価格は、企業の公式販売価格と同じだ。その上、プラットフォームを利用すれば、太空工廠が提供する取引保証サービスを利用することもできる。現時点で、太空工廠はこうした付加サービスについて購入者から手数料を徴収しておらず、今後3年間徴収しないことを明言している。目先の利益よりも、産業チェーンの構築を早期に行いたいという考えだ。
(翻訳:小六)
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