2020年Q3の完全ワイヤレスイヤホン市場:アップルが首位をキープ、2番手に中国勢

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

大企業特集注目記事

2020年Q3の完全ワイヤレスイヤホン市場:アップルが首位をキープ、2番手に中国勢

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

1月14日、調査会社「カウンターポイント(Counterpoint)」が、2020年第3四半期ウェアラブルデバイスの出荷台数と市場シェアに関するレポートを発表した。ウェアラブルデバイス市場は急成長を続けており、中でもイヤホンの伸びが最も大きく、2020年のTWS(完全ワイヤレスイヤホン)の出荷台数は前年比83%増の2億3800万台と見込まれている。

ウェアラブルデバイス市場の大部分を占めるのはイヤホン(52%)とスマートウォッチ(41%)で、中でもイヤホンの成長率は際立っている。

2020年第3四半期時点のTWS市場シェアは、アップルが29%で、前期から6%減少しているものの首位を守った。シャオミ(小米)は前期比13%増加して2位をキープ。それに韓国サムスン、米「JBL」、中国「QCY」が続く。

現在、TWS市場は競合各社がひしめき合い、低価格時代を迎えている。

アップルはこの分野の絶対王者であり、2018年第4四半期の市場シェアは60%に達した。しかし、他ブランドの台頭に伴い、アップルの市場シェアは低下の一途をたどる。2020年第2四半期には依然トップをキープするものの、そのシェアは35%まで減少した。

現在、TWS上位10ブランドのうち5ブランドが50ドル(約5000円)未満の製品を販売しており、20ドル(約2000円)未満のものもある。これは、TWSがローエンド市場にも進出し、コストパフォーマンスの良いTWSが市場で大きく発展する可能性を秘めていることを意味する。

カウンターポイントのシニアアナリストLiz Lee氏は、中国スマートフォンメーカー「realme」のTWS市場シェアは現時点でたった2%だが、優れた品質とオンライン販売能力を生かして、スマートフォンと同様に海外でも売上を伸ばし、2021年にはウェアラブルデバイスのダークホースになり得ると述べている。

出典:カウンターポイント社

TWSと比較すると、スマートウォッチの勢いは弱く、2020年の総出荷台数は1億台強、成長率は2%と見込まれている。

スマートウォッチでは上位5ブランドが全出荷台数の66%を占める。その市場シェアはアップルが28%で1位、2位は15%のファーウェイ、以下サムスン(10%)、中国電子機器メーカー「歩歩高(BBK)」の「Imoo」 (7%)、米グーグル系「Fitbit(フィットビット)」(6%)と続く。

前述のLiz Lee氏は、アップルがTWSとスマートウォッチの二冠を勝ち取れるのは、主にアップルの強大なiOSエコシステムに由来すると指摘する。アップルはハイエンドに注力し、消費能力の高いユーザーがアップルの成長を後押ししてきた。

2020年のスマートウォッチの業績はTWSほどではなかったとはいえ、アナリストは今年も成長を見込んでいる。

カウンターポイントのシニアアナリストSujeong Lim氏は「経済回復とフィットネス市場の発展がスマートウォッチ市場の成長を促すと見られ、2021年半ばには低いながらも2桁成長が見込まれる。スマートウォッチが全体的にもう少し安くなれば、より高い成長もあり得る」と述べている。

(翻訳:永野倫子)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録