上海汽車、アリババら三社で設立のEVメーカー「智己汽車」が2車種を発表 法人登記からわずか20日 

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上海汽車、アリババら三社で設立のEVメーカー「智己汽車」が2車種を発表 法人登記からわずか20日 

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中国の新興自動車メーカーが、設立からわずか20日あまりで量産車2車種を発表した。

自動車製造中国最大手の上海汽車集団(SAIC Motor Corporation)、上海の国家級産業開発エリア上海張江高科学技術園区(Zhangjiang High Technology Park)、IT大手アリババグループの3社が共同で立ち上げた「智己汽車(IM Motors)」は今月13日、上海、米ラスベガス、英ロンドンで同時にハイエンドスマートBEVのブランド「智己(IM )」の立ち上げを発表した。発表会ではセダンとSUVの2車種が世界初披露となった。

同社初となるセダンは4月に開催予定の上海モーターショーで予約を開始し、年末に発売する。SUVの発売は来年になる模様だ。

航続距離1000kmが新指標に?

智己汽車の車両には、上海汽車と車載バッテリー大手CATL(寧徳時代新能源科技)が共同開発したリチウムシリコンバッテリー(シリコン負極を採用したリチウム電池)が標準搭載される。容量は93kWh、115kWhの二段階で、最大航続距離は約1000kmだ。

画像:智己汽車

その他、自動運転機能も一大セールスポイントだ。米半導体メーカーNVIDIAの自動車向けSoC「Orin」(演算性能500〜1000Tops)をサポートする拡張可能な車載用インテリジェントパワーデバイス(IPD)「インテリジェントドライビングセンター」と、視覚センサーとLiDARのソフトウェアおよびハードウェアのアーキテクチャーに付随する「冗長化スキーム」によって、ドア・トゥー・ドアの自動運転が実現できる可能性が出てきた。

智己汽車で初の量産型車種には、15個の高精細視覚センサー、5個のミリ波レーダー、12個の超音波レーダーを備えた視覚センシングソリューションが標準搭載され、一般道および高速道路におけるスマートナビゲーション、センチメートル単位の精度を有する自動パーキングアシストを行う。また、中国特有の道路状況や運転習慣に基づき、データドリブンのコアアルゴリズム・アーキテクチャーを通じてデータの記録、転送、アノテーション、モデルトレーニング、イテレーション、アップデートを自動で実行する。関連当局による許可が下り、高精度地図がより拡張されれば、「オールシナリオ、シームレス、かつゼロ・テイクオーバー(自動運転システムから運転手への運転引き継ぎがゼロ)」の自動運転が実現するだろう。

バッテリーや自動運転以外のスペックとしては、車載OS「IMOS」もお披露目された。

画像:智己汽車

新たなストーリーを求めて

上海汽車は昨年の販売台数が560万台で、中国の自動車企業としてはトップだった。しかし、同社にとっても事業は楽観視できる状況ではない。今月12日には昨年の業績予想を発表したが、上場親会社の株主に帰属する純利益は約200億元(約3200億円)で、前年比21.89%減にあたる56億元(約900億円)の減少だという。年間販売台数の560万台という数字も前年比で10.22%減っている。

利益も販売台数も下げる中、上海汽車は新たなストーリーを求めている。

智己汽車の前身は上海汽車の「Lプロジェクト」だ。公式発表では同プロジェクトは2018年に始動し、サービスと製品を網羅する総合サプライヤーを目指すものだった。そこへ持ち上がった智己汽車プロジェクトが転機となった。まずはアリババと手を組んだことが重要なステップだ。両社の提携は2016年、車載システムを構築する「斑馬網絡(Banma Network Technology)」プロジェクトにさかのぼる。

ますます多くのプレーヤーが参入するようになり、今年以降の新エネルギー車市場は目に見えて競争が激しくなるだろう。

元旦には米テスラが中国で製造したSUV「Model Y」が発売された。33万9900元(約540万円)という市場予想をはるかに下回る低価格で、予約が殺到したという。続く9日には中国の新興EVメーカー「NIO(蔚来汽車)」がフラッグシップセダン「ET7」を発表、予約販売を開始した。ET7は同社最新の自動運転技術を初搭載している。価格は補助金適用前で44万8000元(約720万円)から。バッテリーを分離してサブスクリプションサービスとした車体のみの価格は補助金適用前で37万8000元(約600万円)からとなっており、来年第1四半期に納車開始予定だ。
(翻訳・愛玉)

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