ファーウェイ、2018年上半期のスマホ出荷量9,500万台超 2019年末までに世界一目指す

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ファーウェイ、2018年上半期のスマホ出荷量9,500万台超 2019年末までに世界一目指す

リチャード・ユー氏のビッグマウスをフォローすべく、ファーウェイは多くの穴埋めが必要だ。

2018年第2四半期、世界の携帯電話市場でファーウェイ(HUAWEI、ファーウェイ・テクノロジーズ)は待望の第2位となった。市場シェアでアップルを超え、初めてトップ2に上ったことになる。ファーウェイ・コンシューマ・ビジネス・グループのCEO、リチャード・ユー(余承東)氏のビッグマウスを、ファーウェイは徐々に現実のものとしている。

少し待って欲しい、ユー氏はほかにもこのような大風呂敷を広げている。「ファーウェイのスマートフォンは技術上でアップルを抜く。中国市場での収益はアップルを超える。市場シェアでもサムスンを超える。2018年には2億台のスマートフォンを販売する」。上記4つの目標のうち前の3つは、彼の言った期限までには実現しなかった。最後の目標を達成するには、あと5カ月もない。一見して、ファーウェイが抱えるプレッシャーは相当なものだ。

しかし、話を元に戻すと、ユー氏のこうした発言はすべてファーウェイの業績を引っ張っている。ファーウェイ・コンシューマ・ビジネス・グループ(以下、CBG)はここ数年で急速に発展し、ファーウェイ内部への貢献は次第に大きくなっている。

CBGは本日、2018年上半期の業績を発表した。これによると、同社上半期のスマートフォン出荷台数は9,500万台を超えている。また、米調査会社IDC(International Data Corporation)のデータによると、同社のスマートフォン出荷台数は第2四半期に5,420万台に達し、世界市場におけるシェアは15.8%、サムスンに次ぐ第2位となった。

シンガポールの市場調査機関Canalysのレポートによると、ファーウェイは、第2四半期に中国での市場シェアが27%に達した。前年同期比22%の増加であり、国内メーカーとしては2011年第2四半期以来、最大のシェアとなった。 ファーウェイ傘下のブランドhonor(栄耀)は国産スマホとして国内トップの座を守り続け、上半期には中国市場で2,605万台を売り上げた。

リチャード・ユーCEOは、「これはCBG設立以来、最高のパフォーマンスだ」と語る。中国紙・国際金融報は、「ファーウェイは2019年にも世界第2位のスマートフォンメーカーになる自信がある。彼らの目標は2019年末に市場シェア20%超えを実現、世界ナンバーワンになることだ」と報じた。

ファーウェイの卓越した業績は、主に2つの方面に役立っている。1つは、多くの製品が市場で人気を得ること、2つ目は、急速な海外進出が新たな成長の起点となることである。

製品面では、ファーウェイのP20シリーズは今年上半期に最も人気を博したハイエンドスマートフォンの1つであり、市場での反響はサムスンのS9よりも明らかに良好だ。同社の財務報告では、P20シリーズは女性ユーザーの支持を得ており、2018年3月の発売から4カ月で世界出荷量が900万台を超えたことを示している。novaシリーズの上半期出荷量も前年同期比で60%アップ、世界のnovaユーザーは総数5,000万人を超えた。

honor 10 はバッテリーの消費電力を大幅に抑えるGPU Turboを搭載したことで人気を博した。発売わずか26日間で国内販売量は100万台を突破、honorシリーズのフラッグシップモデルとして売上げ最速記録を生み出した。

ファーウェイは国内市場で猛烈に勢いを増しているだけでなく、海外市場での伸びによって社全体の成長余地を広げている。海外市場での成長率は国内市場より高い。

IDCのデータでは、ファーウェイは今年第1四半期にグローバル出荷台数を前年同期比13.8%アップさせたが、国内向け出荷台数は前年同期比1.9%増にとどまり、出荷台数の増加が主に海外でのものであることを示した。別の市場調査会社Canalysによるデータと合わせると、第2四半期の成長も同様で、海外が国内よりも高かったと推測される。IDCはまた、第2四半期におけるファーウェイの成果について「彼らが新しい市場に討ち入る能力は印象的だ」とたたえた。

中でも、honorの海外市場での売上げは突出している。今年上半期、同シリーズの海外市場での販売数は前年同期比150%増となり、販売数全体で海外販売分の占める割合は前年同期の15%から20%に増加した。

特に、インド市場では前年同期比300%増、イギリスでは200%増、スペインでは500%増の伸び率である。ロシアでは今年5月にhonorが市場シェア13%を超え、アップルに逆襲して同国市場第2位になった。売上トップ5の製品のうち4つがhonorシリーズだという。

財務報告を見ると、ファーウェイのスマートフォン取扱店は世界で5万3,000店を超え、中でも体験型店舗は世界に3,500店以上あることがわかる。サービス網は世界110カ国をカバーし、クラウドサービスは世界170カ国以上を網羅、登録ユーザーは世界で4億人を超えている。製品開発者は45万人を超え、彼らの上げた年間収益は2017年より100%増となる見通しだ。

さらに、ファーウェイ製デバイスの管理アプリ「Huawei HiLink」は今では150以上のブランドの500以上の製品と連携、4億人を超えるユーザーが接続している。また、健康管理プラットフォーム「Huawei Health」の登録ユーザーは1億人を超える。

しかし、ファーウェイは業績を急上昇させた唯一のメーカーではない。

今年第2四半期、世界のスマートフォンメーカー4強のうち、サムスン電子を除くファーウェイ、シャオミ、アップルはすべて大豊作だった。4人の兄弟が麻雀をしてサムスンが牌を投げたら、他の3人がみんな上がりだったようなものだ。

IDCのデータによると、シャオミは主流スマートフォンメーカーの中でも最も急速に成長しており、出荷台数は前年同期比48.8%増。企業評価額で1兆ドルを突破したばかりのアップルは、第2四半期(2018会計年度第3四半期)にiPhone販売台数1%増、収益は20%増となっている。

このほか、“青緑スマホ”(青はvivo のシンボルカラー、緑はOPPOのシンボルカラー)のパフォーマンスもなかなかのものだ。第三者機関によるデータでは、OPPOは第2四半期に世界市場シェアで5%増、vivoも国内市場シェアが20%に達し、出荷台数は前年同期比30%増で、国内4大スマートフォンメーカーの中では最も成長の速い1社であることを示している。

サムスンについては、第2四半期に中国市場で80万台のスマートフォンを販売し、喜ばしいことに0.8%の市場シェアを獲得した。米市場分析会社Strategy Analyticsによると、前年第4四半期に中国市場シェアで0.8%を獲得したのに続き、今年第2四半期に同様の成績を獲得したことを示している。

ファーウェイの競争力増強が見て取れるが、競合各社の製品も見事な成績を収めていることがわかる。

これから、ファーウェイはまだまだ長い道のりを走らなければならない。ひとつは競争圧力のため、もうひとつはリチャード・ユー氏の大胆発言のため、ファーウェイには埋めるべき穴がまだたくさんあるからだ。5カ月後、 ファーウェイはスマートフォン年間売上数2億台の目標を達成できるだろうか?

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