日経スタートアップ注目記事

ファーストフード向けに自動調理ロボットを活用 省スペースに味の均一化も

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自動調理ロボットなど飲食店厨房のスマート化に取り組む「御膳坊信息技術(Yushanfang Information Tech)」が、エンジェルラウンドで「国宏嘉信資本(China Prosperity Capital )」、「索道投資管理(Seekdource Investment Management)」から数千万元(数億円)を調達した。調達した資金は製品開発や人材拡充、マーケティングなどに充てる。

御膳坊は2018年に設立され、開発した調理ロボットはすでに10代目を数える。注文が入ってから一皿分ずつ調理するもので、ファストフード業態で活用されている。中華料理の味の決め手は素材のよさに加え調理師の技術も重要で、従来型の飲食店では店舗面積の3分の1は厨房やパントリーが占めていた。しかし、中小規模の飲食店のオペレーションでは料理のできばえにバラつきがあり、坪売上も低い点がペインポイントとなっていた。AIを活用した御膳坊の調理ロボットはこれを解決するために誕生した。

御膳坊の調理ロボットは厨房に設置しても専有面積はわずか1.6平方メートルで、ガステーブルは4口となっている。料理は1品あたり平均1.8分で完成し、700品以上のレシピが登録されている。食材の提供と下処理はセントラルキッチンが一括で担う。瞬間温度調整にも優れ、点火2秒で240℃にまで加熱できる。ロボット1台につき2分で4品完成させることができ、調味も的確で、油煙処理や洗浄も可能だ。

専有面積はわずか1.6平方メートルの自動調理設備

多くのファストフード業態では一度に大量の料理を作り置きし、注文が入ると再加熱しているが、繰り返し加熱すると素材の味や口当たりが変質してしまう。注文を受けてから一品ずつ調理すれば、サーブするまでのスピードも味のクオリティも消費者の期待に応えられる。

御膳坊は2020年4月には中華料理のファストフードチェーン「易盒鮮(Yihexian)」を開業し、1店舗に1〜2台の調理ロボットを配置。20〜25品ほどのメニューで展開している。店舗にはバックヤードを設けず、2人の従業員でロボットの操作とサービスを行っている。広州、深圳を中心に10数店舗を出店しており、客単価は20〜28元(約330〜460円)。直営とフランチャイズで拡大中だ。

創業者の文潔氏は、飲食店業務の自動化は将来的なトレンドになるとみている。調理師になるには数年にわたる修行と経験が求められるが、現代の若者に忌避されがちだ。さらに、バックヤードの管理やオペレーションが難しいことから、飲食業への投資リスクは高まってしまう。調理ロボットはこれまで個人の経験値に頼ってきた部分を標準化し、全店舗でオペレーションや料理の味を統一するのに有利だ。

飲食店以外でも企業内やコンビニエンスストアで24時間稼働させるケースも検証中だ。将来的にはユーザーの消費履歴に基づいて好みの料理を推測し、メニューのおすすめができるようになる可能性や、ユーザーが自ら味付けを指定し、塩分や辛さを好みに調整できるようになる可能性も見据える。

御膳厨の従業員は約30人で、研究開発人員が過半を占める。創業者の文潔氏は連続起業家で、オートメーションや厨房機器などの分野で経験豊富だ。

今回の出資を主導した国宏嘉信資本の馬志強氏によると、中国の飲食業界の市場規模は4兆元(約65兆6700億円)だが、チェーン展開する企業は6%にも満たない。中華料理のファストフードに限れば市場規模8000億元(約13兆1300億円)だが、その多くは家族経営の小規模店で、標準化やブランド化に向けた成長の余地は大きい。御膳坊は技術、ブランド、マーケティングにおいて先発優位を握っており、組織的にも起業経験豊富な人材を揃え、飲食業界のスマート化を実現するポテンシャルを秘める。

同じく出資に参加した索道投資管理のパートナー黄頌益氏は、御膳坊の調理ロボットが飲食業界の標準化やさらなる成長をもたらすツールと考える。料理の質が均一化されるため、大型施設の食堂や空港、駅のレストランなどに導入すれば、飲食店が利用される時間帯や場所を拡張できる。中国では火鍋チェーン「海底撈火鍋(ハイディーラオ)」などの大手レストランブランドが積極的に自動調理設備を導入し、人件費の圧縮を進めている。こうした傾向が御膳房に成長機会をもたらしていると黄氏は説明した。
(翻訳・愛玉)

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