カナダのカフェ「ティム・ホートンズ」がテンセントから2度目の資金調達 2021年には中国で200店舗新設へ

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カナダの国民的カフェチェーン「ティム・ホートンズ(Tim Hortons)」の中国法人(以下、ティムズ中国)が2月26日、新たな資金調達を完了した。今回はセコイア・キャピタル・チャイナが出資を主導し、テンセントが増資を行ったほか、「鐘鼎資本(Eastern Bell Capital)」も出資に加わった。

調達した資金は店舗拡大やインフラのデジタル化、ブランディングに充てるという。ティムズ中国は2021年にコラボカフェなど多形態の店舗を200店以上オープンする計画で、数年以内に国内1500店舗を目指すという目標も依然として掲げている。デジタルイノベーションを打ち出し、プライベートトラフィック(中国語では「私域流量 」)に重きを置いた戦略で、日常使いのカフェという地位を築いていく。今年はティム・ホートンズの味を消費者に手軽に楽しんでもらえるよう、コーヒー製品の販売も試みるという。

ティム・ホートンズは本国カナダではファストフード業界1位のレストランチェーンで、2019年2月に上海市で中国1号店をオープンした。その中国進出からわずか2年の間に、ティムズ中国は2度も資金調達を行っている。昨年5月にテンセントから1億元(約16億円)規模の戦略投資を受け、出店計画の加速を最重要戦略に据えた。12月には、数年以内に国内1500店舗の開設を目指すと明言。さらにテンセントから調達した資金によりデジタルインフラの構築を進め、テンセントと共同でオンラインチャネルの最適化を推進していくことを明らかにした。

ティムズ中国は既存商品を保持しながらも、斬新な新商品やローカライズ戦略を行い、現在は国内の一級、二級都市の10都市に150店余りを展開している。店舗レベルではすでに黒字化を達成した。消費者からの人気も上昇を続けており、WeChat(微信)のミニプログラムは300万人近くが会員登録するなど、ユーザーと成長を共にするコミュニティーが形成されつつある。中国消費者の傾向をもとに多彩な関連商品や業界を超えたマーケティングを打ち出しており、テンセントとタッグを組んだeスポーツのコラボショップを開設するなど業界の垣根を越えたコラボを計画して、カフェのさらなる可能性を積極的に模索している。

ティムズ中国の盧永臣CEOは次のように語っている。「セコイア・キャピタル・チャイナと鐘鼎資本からの出資、さらにテンセントから増資を受けたことを大変うれしく思っている。共に手を取り合って協力しながら、ティムズ中国のポテンシャルを引き出し、コーヒーに関わる中国のビジネスエコシステムの健全な発展を促進することを期待している。私は中国市場に対して強い確信を抱いており、中国におけるコーヒーの急速な普及が市場に大きなポテンシャルをもたらすと固く信じている。今後はいっそうのスピード感を持って中国市場での展開を進め、長期的な発展計画を描き、おいしく手頃なコーヒーを中国の消費者に届けてその選択肢をさらに増やしていきたい」

ティム・ホートンズは中国市場を高く評価している。同社の親会社「レストラン・ブランズ・インターナショナル(RBI)」のグローバルCEOホセ・シル(José Cil)氏と盧氏は、中国がいずれ世界第2位の市場になると口をそろえる。現在の店舗数と今後の出店計画に照らせば、カナダ市場が全世界の60%を占め、中国は20%以上に達する見込みだ。

(翻訳・畠中裕子)

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