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3月2日夜、ドローン最大手の「大疆創新科技(DJI)」が没入型ドローン「DJI FPV」を発売した。従来の空撮用のドローンとDJI FPVの主な違いは、視点と操縦方法の変更だ。
DJI FPVの「FPV」は「一人称視点(First Person View)」を指す。DJIによると、専用のゴーグルを付けてDJI FPVを使用すると、一人称視点で操縦することができ、臨場感と没入感が格段にアップする。別売りのモーションコントローラーを使用すれば、片手を傾けたり、手首を回したりすることで方向転換、回転などを行うことができる。
視点と操縦方法だけでなく、動画撮影、通信、セキュリティ面でも改善が図られている。
DJI FPVは最大視野角150°の超広角レンズを搭載し、最高ビットレート120 Mbps、フレームレート60fpsの4K画像を撮影できる。映像ファイルはH.264とH.265の2つの規格に対応。最大4倍のスローモーション撮影も可能で、映像ブレ補正のRockSteady技術を搭載している。
通信機能では、DJI FPVとゴーグルの間で最大120fpsの映像送信が可能で、ビットレートは50Mbps、よりなめらかで残像の少ない映像を実現した。遅延はDJI独自のO3転送技術により28ミリ秒にまで抑えられている。通信可能距離は最大10キロ(中国大陸では最大6キロ)だ。通信周波数は2.4GHzと5.8GHzの間で自動的に切り替わり、電波干渉にも強くなっている。
初心者からプロの操縦者まで、誰でも操縦できるように、DJI FPVには3つの操縦モードが用意されている。初心者向けのノーマルモード(N)、一定速度での巡航が可能なスポーツモード(S)、マニュアルモード(M)だ。Nモードでの操縦方法は既存のドローンと同じだ。
セキュリティはドローンにとっての課題の一つである。DJI FPVには前方と下部に視覚センサーが設置され、下部には補助照明も追加された。通信不能またはバッテリーが低下した場合、DJI FPVは自動で出発地点に戻るように設定されている。さらに、Nモードではドローン本体が障害物を検知し自動で減速する機能もあり、緊急時はボタン1つでその場でホバリングすることができる。
また、ドローンを操縦していなくても、ドローンと接続した専用ゴーグルの「オーディエンスモード」を選択すれば、操縦者と同じ画面を見ることができる。
ドローン本体の航続時間は無風の環境を40 km/hで飛行した場合20分で、最大航続距離は16.8キロメートルだ。
DJI FPVを使用するのに必要な基本的な設備が一通り入った「DJI FVPコンボ」の価格は7999元(約12万8000円)で、ドローン本体、コントローラー、ゴーグル、バッテリー1個、プロペラ4個が入っている。別売りのモーションコントローラーは999元(約1万6000円)。より本格的に楽しみたい場合には、追加バッテリー2個、充電ハブ1個が入った「DJI FPV Fly Moreキット」も用意されており、価格は1899元(約3万円)となっている。
DJI FPVはDJIにとってマイルストーンとなる製品だ。DJIから言えば、同社総裁の羅鎮華氏の言葉のように、この製品以降、DJIのコンシューマ級製品は「空撮機能重視」から、「空を飛ぶ体験+空撮機能」の段階に入る。
一方、VR機能の点からいえば、近年VR機能を持った製品が多数発表されたが、大半が期待通りのパフォーマンスになっていない。それに対し、DJI FPVに対する購入者の評価は概ね好意的で、この製品によって新たなエンターテイメントが生まれる可能性もある。
(翻訳・小六)
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