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無糖飲料水メーカーの「元気森林(GENKI FOREST)」が新たな資金調達を行ったことがわかった。リード・インベスターはウォーバーグ・ピンカス、Lキャタルトン、セコイア・キャピタル中国で、コ・インベスターはテマセク・ホールディングス、「高榕資本(Gaorong Capital)」、「龍湖資本(EverBay)」などだ。調達後の同社の評価額は60億ドル(約6600億円)となる。調達した資金は商品開発、自社工場の建設、海外事業の拡大に充てられる。
この件について、元気森林からコメントを得ることはできなかった。
元気森林は「無糖、ノンカロリー、脂肪ゼロ」という健康志向の飲料水を販売している。同社創業者の唐彬森氏は2015年に開発センターを設立し、商品開発に成功した後に元気森林を創業、2017年に最初の商品を発売した。これまで元気森林の成長は順風満帆で、2019年と2020年の「618セール(6月18日前後に行われるECセールイベント)」に「天猫(Tmall)」の飲料水売り上げ本数トップとなり、2020年のダブルイレブンでは天猫に加え、「京東(JD.com)」でも飲料水販売本数トップとなった。同社は資金調達も順調で、前回の資金調達後の評価額は20億ドル(約2200億円)だったが、今回は上述の通り60億ドル(約6600億円)となった。1年未満で評価額が3倍に上昇したのである。それを支えているのが、売上の急成長だ。2020年の元気森林の売上高は29億元(約500億円)弱で、うち炭酸水が70%を占める。
中国は世界最大のソフトドリンク市場の一つだ。コンサルティングファームのフロスト&サリバンの集計によると、2019年の中国のソフトドリンク市場の規模は9914億元(約17兆円)で、コカ・コーラ、ペプシ、ネスレ、「農夫山泉(Nongfu Spring)」など国内外の大手企業がしのぎを削っている。そのなかで、元気森林は健康志向に特化した商品開発を行い、砂糖の代わりに自然由来の甘味料を使用し、様々なフレーバーの炭酸水を発売し、低カロリーの炭酸飲料を求める消費者のニーズに応えてきた。
炭酸水で成功した後、元気森林は低カロリーのミルクティー、エナジードリンク、果汁入り炭酸水、ヨーグルトなど多種多様な商品を開発し、より幅広い市場に進出しようとしている。それに伴い、滁州、広州、天津に自社工場を建設するなど、生産キャパシティの拡大を進めている。
元気森林は代理店経由で中国全国の主なコンビニ、スーパーマーケットで商品を販売しており、天猫、京東など主なECプラットフォームにも出店している。さらにインフルエンサーとのライブコマースイベントや、ビリビリ動画の旧正月特番のスポンサーになるなど、マーケティングを積極的に行っている。同社が公表したデータによると、元気森林は中国の30の省、直轄市、自治区に進出しており、米国、シンガポール、ニュージーランドに輸出している。
2020年の中国の一般消費財の小売総額は39兆1981億元(約666兆円)で、前年比で3.9%減少したが、飲料類は逆に14.0%増加した。2021年はさらなる成長が期待できる。2020年の元気森林代理店コンベンションにおいて、唐彬森氏は2021年のオフラインチャネルの売上高目標を75億元(約1300億円)に設定したことを発表した。2020年の21億元(約360億円)の3倍以上だ。また、唐氏によると、既に発売している商品は元気森林が開発した商品の5%でしかなく、2021年は開発費と人員を3倍に増やした上で、大量の新商品を発売する予定だという。
(翻訳・小六)
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