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中国の生活関連サービス大手「美団(Meituan)」が先月、2020年第4四半期および年度の決算を発表した。
第4四半期の売上高は34.7%増の379億2000万元(約6400億円)で、市場の予想をやや上回り3四半期連続で増加した。住宅地向け共同購入サービスなどの新規事業へ投資したため、第4四半期の調整後は14億3700元(約240億円)の純損失になった。
今回の四半期決算を総括すると、主力業務は安定、新規事業は赤字だった。同社は長年赤字が続いたが、20年にはデリバリー業務が新たに稼ぐようになり、旅行・ホテル宿泊予約業務も安定した。一方で、新規事業に利益とキャッシュフローが流れていることを慎重にみる必要がある。
全体的には21年は美団の株価上昇と赤字増加の1年となるだろう。
新規事業:多額の投資、多額の赤字
第3四半期に住宅地向け共同購入サービスへ多額の投資を実施後、第4四半期は予想通り再び赤字となった。
決算報告書によると、第4四半期の新規事業およびその他業務の売上高は前年比51.9%増の92億4400万元(約1600億円)だったが、赤字も前年同期の11億元(約180億円)から60億元(約1000億円)に拡大した。多額の補助や投資に加え、第4四半期にシェア自転車事業で新車を投入して減価償却費が17億元(約290億円)増加した。このほか、自社運営の生鮮食品EC「美団買菜(Meituan Maicai)」は20年にコストが40%以上増加した。
美団の王興CEOによると、20年12月に住宅地の食料品共同購入を中心とする「美団優選(Meituan Youxuan)」の1日あたりの注文数は2000万件を突破した。一方、新興共同購入型EC「拼多多(Pinduoduo)」が提供する同様のサービス「多多買菜(Duoduomaicai)」は1800万件程度だ。1件の単価を8元(約130円)とすると、美団優選の1日のGMV (流通取引総額)は平均で1億6000万元(約30億円)になる。
大手各社が住宅地の共同購入に対する補助を下げる中、美団は倉庫・配送管理やサプライチェーンでライバルとの差を広げている。
組織管理では、美団では地方から直接本社に報告するのに対し、多多買菜は地域の責任者が取りまとめて本社に報告するモデルを取る。
多多買菜の管理モデルは創業期には適しているが、中・後期以降は美団優選の組織の紀律性が効果を発揮する。21年に各社が全国展開した後も、美団優選のサプライチェーンや契約履行については最も有望視されている。
美団としては、住宅地向け共同購入サービスでユーザーの増加が期待できる。年間を通じて購入するユーザー数の前年比と前四半期比の伸びは低下して1桁台になっていたが、同サービスを開始後、第4四半期には再び13%と2桁台に回復した。
ユーザー数が頭打ちとなり、新規ユーザー獲得が困難な中、今後ECプラットフォームは同じ市場で競争を繰り広げるだろう。美団もアリババ、中国EC大手「京東集団(JD.com)」と同様、新たな投資を進める時期に入っている。
(翻訳・二胡)
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