【恒大ショック、次はEVか】消耗戦が続く中国自動車業界に、当局が是正介入

値下げやダンピングで販売台数を伸ばしてきた中国自動車業界。当局はこうした過当競争に歯止めをかけようとしている。

中国工業情報化部と中国国家市場監督管理総局は6月11日、共同で行き過ぎた競争行為の疑いがある自動車メーカーに対しヒアリングを実施し、注意喚起を行った。両部門は企業に対し、「価格法」や「低価格ダンピング行為の禁止に関する規定」などの法規を厳格に遵守し、価格コンプライアンスと品質管理を強化するとともに、健全な競争環境を維持するよう求めた。

中国工業情報化部は今年3月、中国国家発展改革委員会、中国国家市場監督管理総局と共同で新エネルギー(NEV)自動車業界の会合を開催し、競争秩序の是正や「60日以内の支払い」コミットメントの履行徹底に向けた方針を打ち出した。4月には対象を駆動用バッテリーおよび蓄電池業界にも拡大している。

過去2年間、自動車メーカーは値下げによって販売台数を確保する戦略を続けてきたが、その結果として利益は圧迫され、業界の利益率は低下の一途をたどっている。業界内では、中国不動産大手「恒大集団」のような経営危機に陥る企業が自動車業界からも出るのではないかとの懸念が高まっている。消耗戦が続けば、資金繰りやサプライチェーンの最も脆弱な部分からリスクが一気に顕在化する恐れがある

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価格競争は偶然に起きたものではなく、構造的な矛盾が表面化した結果だ。

電動化への移行は予想を大幅に上回るペースで進んでいる。中国の自動車業界団体・全国乗用車市場情報連合会(CPCA)によると、5月の新エネルギー乗用車の小売浸透率は過去最高の62.9%に達し、ガソリン車の市場シェアは37.1%まで縮小した。

一方、自動車市場全体は縮小傾向にある。CPCAは2026年の乗用車小売販売台数の伸び率予想をマイナス11%へ引き下げた。市場の成長が頭打ちとなる中、既存市場の奪い合いが激化し、これに生産能力の過剰とブランドの乱立が重なったことで、大量の新車供給を市場が吸収しきれなくなり、最終的に激しい価格競争へと発展した。

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米コンサルティング会社アリックスパートナーズは2025年7月に公表した「グローバル自動車展望」の中で、「1台以上の販売実績があるブランド」という基準で集計すると、中国で2024年に電気自動車(EV)およびプラグインハイブリッド車(PHV)のブランド数は129に達したと指摘した。同社は、2030年までに財務の健全性を維持できるブランドは約15にとどまると予測している。つまり、現在存在するブランドの約9割が今後数年以内に淘汰されるか、業界再編の中で市場から退出することになる。

(36Kr Japan編集部)

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