中国、微生物発酵の海鮮食品登場 代替肉「New Singularity」が数千万円調達

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微生物を発酵させて作る海鮮食品を開発する「New Singularity」がシードラウンドで数百万元(数千万円)を調達したことがわかった。「Lever VC」が単独で出資を行い、資金は主に製品の開発などに充てられるという。

New Singularityは2020年に設立。微生物を発酵させて作るエビ、真菌由来のマイコプロテインはすでに開発済み。現在は改良を繰り返しながら、今年第3四半期に正式販売となる見通しだ。

創業者兼CEOである高麗氏は、海洋環境保護団体「緑色之友」のメンバーで、長年にわたり海洋生態の保護培養に関心を持っている。国連食糧農業機関(FAO)のデータによると、世界の90%の魚類資源が過剰に漁獲され、地球の海洋種の数量は平均36%減っているという。

高氏は、微生物発酵由来の代替肉は微生物菌株でタンパク質を発酵させたもので、植物性成分ではなく菌類に属すると語る。このタンパク質は食用肉や、ヨーグルト、飲用水に用いたり、または乳製品の代替品としても用いたりすることができる。菌株を異なる物質に混ぜて発酵させることにより異なる特徴を持たせることが可能だ。微生物藻を基質とすれば、海鮮風味があり肉に似た食感を持つ筋肉繊維が得られる。この菌株は連続して再生が可能で、元の菌株の1.4万倍もの大量の菌タンパク質を得ることができる。現在は、コスト高と栄養バランスの問題の解消が待たれているとのこと。

「山東海呀」の加工食品

New Singularityの初期の商品は海藻を原料としていた。20年7月と8月に市場へ投入し、月間売上高は1万2000元(約20万円)に達した。当時、商品のエビの食感はプリプリと歯ごたえはあったが、エビの繊維質が感じられなかったという。開発チームはARTPハイスループットのスクリーニング後に目標菌株を取得し、コレステロールや抗生物質、成長ホルモンなどを含まず、動物性タンパク質の食感と栄養価を再現した製品の開発に成功、生産コストもより低く抑えることができた。

開発チームへの取材によると、この発酵タンパク質の生産に必要な土地面積、温室ガス排出、水資源は従来型の畜産農業の数パーセントに過ぎず、単位当たり面積のタンパク質生産量は動物由来の3.6倍、植物由来の1.8倍となる。現在、特許出願中であるという。高氏の話では、微生物発酵由来の代替肉が発展するカギはコストだという。技術指向型産業に属する微生物発酵タンパク質は、中長期的に見ると低コストとカスタマイズ化がカギとなる。

36Krはこれまでにも代替肉ブランドの「Hey Maet」「Meatless Farm」「Starfield(星期零)」「Future Meat Technologies」などを取材してきた。

高氏は、代替タンパク質市場は大変人気があるが、栄養価やコストを十分に考える必要があると語った。微生物発酵による代替肉は中国でのスタートが遅く、微生物発酵分野での技術研究においては、菌株の開発がコストの大部分を占めるという。

同社の開発チームは、創業者兼CEOである高麗氏の他に、江南大学微生物専攻の博士や食品市場でのシリアル・アントレプレナーで構成され、いずれも「緑色之友」のメンバーであった。
(翻訳:lumu)

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