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中国の新興コーヒーチェーンで、不正会計問題により昨年7月にナスダック市場への上場を廃止した「瑞幸咖啡(luckin coffee)」が15日、公式サイトを通じて新たに資金調達を行うことを発表した。出資者は同社の既存株主であるPEファンド「大鉦資本(Centurium Capital)」の傘下企業と「愉悦資本(Joy Capital)」で、出資額は2億5000万ドル(約270億円)となる。
協議の結果、リードインベスターの大鉦資本は株主割当の形式で総額2億4000万ドル(約260億円)の転換優先株を取得することで合意し、コ・インベスターの愉悦資本も1000万ドル(約11億円)の転換優先株を取得することで合意した。特定の状況下においては、両者はさらに1億5000万ドル(約160億円)を追加出資する可能性もある。受け渡しは複数の条件によって取り決められ、luckin coffeeおよび4億6000万ドル(約500億円)分の転換社債の保有者による債務の株式化を経ることも条件に含まれている。
今回の資金調達が行われれば、luckin coffeeが転換社債の保有者との間で取り決めた事業再建計画が完了することになり、米証券取引委(SEC)との和解協議で取り決めた内容も履行されることになる。SECは昨年12月、粉飾決算に対する罰金としてluckin coffeeに1億8000万ドル(約200億円)を課し、同社はこれを受け入れたと発表していた。
luckin coffeeは先月中旬にも公式サイト上で、主な債権者との取り決めにより、近く債務を履行するとの意向を示している。手形の所有者は額面の91〜96%が保証される模様だ。さらに一つの代替案として私募形式で2億5000万ドルを調達すると表明しており、それが今回の調達案件を指すものとみられる。
luckin coffeeは中国のベンチャーキャピタル界でも類を見ないほどの勢いで台頭してきたユニコーン企業だ。中国に進出して17年の老舗スターバックスに創業わずか2年で肉薄するほどの出店数を誇り、設立わずか18カ月でナスダック上場を果たすなど、快進撃を重ねてきた。しかし、22億元(約370億円)にも上る不正会計を指摘されるとこれを認め、上場1年でナスダック市場を退場することとなった。
その後は事業再生に向けて尽力してきたが、その道も決して順調ではなく、社内で幾度も権力抗争が勃発。今年1月には複数の管理職が連名でCEO罷免を求める請願書を取締役会などに提出している。
luckin coffeeが自身の不祥事で身動きがとれない間に、中国では多くの新興コーヒーブランドが登場した。カナダから進出してきた「TimHortons(ティムホートンズ)」や上海発のスペシャルティコーヒー「MANNER COFFEE」などの新参プレイヤーによって競争はより厳しくなり、今後の市場の展開も未知数となっている。
(翻訳・愛玉)
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