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米国現地時間4月20日に行われたアップルの新製品発表会において、紫色のiPhone、紛失防止タグ「AirTag」、A12チップ搭載のApple TV、M1チップ搭載の新型iMacおよび新型iPad Proが発表された。
iMacは7種類のカラーバリエーションが用意され、24インチの4.5Kディスプレイ、11.5ミリの薄さが目を引く。価格は1499ドル(約16万円)からで、5月中旬以降に発売予定だ。
iPad Proのストレージは最大2TBとなり、Thunderboltポートと5G通信に対応している。ディスプレイサイズは11インチと12.9インチで、価格はそれぞれ799ドル(約8万6000円)と1099ドル(約12万円)からだ。
AirTagは29ドル(約3100円)で、アップルのU1チップを搭載。購入時に文字や絵文字の刻印を注文することもできる。外観はキーホルダーとほぼ同じだ。
今回の発表会で最も印象的だったのは、M1チップの存在感だ。iMacだけでなく、iPad ProのようなタブレットでもM1搭載となったのだ。
この動きからわかるのは、アップルのインテルのチップに別れを告げる決意の固さだ。今後10年間、アップルはアーキテクチャの内製化を進め、エコシステムをさらに強化していくだろう。
今のアップルはパソコン、スマホ、タブレット、スマートスピーカー、イヤホンなど多種多様な製品を抱えているが、課題はデバイス間の連動をよりスムーズに行うことだ。iOSやmacOS同士の連動はほぼ問題なく行えるが、インテルのチップを採用しているデバイスはアップル自身のarmアーキテクチャのチップとの完璧な連動が実現できなかった。
スティーブ・ジョブズは生前、すべてのデバイスに自社のチップを搭載させることを目標として掲げていた。M1チップの登場は必然であり、インテルのチップを全く採用しなくなるのも時間の問題だ。
M1だけではない。イヤホン、スマートウォッチなどもアップル自社のチップを搭載している。今回発表されたAirTagのU1、Apple TVのA12も自社開発だ。これだけの種類のチップを開発する企業は、業界全体を見渡してもクアルコムやファーウェイくらいしかない。しかも、アップルはクアルコムが得意とするベースバンドチップも開発しているという。
スマホの機能がさらに向上すれば、モバイルデバイス用のAシリーズチップが、パソコン用のMシリーズチップと統一される可能性もある。そうなれば、デバイス間の連動は完璧になるだろう。スマホで途中まで視聴した動画を、自宅のApple TVで続きから見たり、iPadで描いた設計図面を、ARグラスで3D画像として確認したりすることなどが可能になる。
アップルが目指すIoE(Internet of Everything)の世界の第一歩は、チップから始まるのだ。
(翻訳・小六)
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